御礼的大完成
2011年01月20日 ついにレストア完了です!

 
Before After


「Complete !」

昨年12月21日から進めて来た「Fender The Twin Red Knob」レストア作業の最終報告です!

1月18日に、外装を仕上げ直してようやく体裁が整いました。しか〜し!サウンドチェックしたところ、いくつかの問題点が残っていました。ちょっとだけメゲましたが、気を取り直して再出発です!

1 低音弦を強くアタックすると共振音が発生する。
2 スタンバイスイッチを切る際に大きなノイズが出る。
3 電源ノイズもやや気になる。

ターゲットはメイン基板ですね。今の私に出来ることは、基板上の半田点をすべてやり直すことしかありません。

1月19日9時過ぎに作業へ取りかかりました。まずは、前日の症状が出てくるかを確認です。やはり上記3項目がしっかり確認できました。とっととシャーシを降ろしましょう!キャビをテーブル代わりにしてその上にシャーシを設置。すぐにメイン基板を外しました。これ以上基板を動かすのは難しいので、基板を立てた状態でちょっと不自然な体勢でハンダ作業に入ります。



半田点を全部処理し直して、アンプの電源オン!ギターを弾いてみると・・・ん?んんん???なにこれは?出て来た音はとてつもなく小さいのです!私はいったい何をしたのでしょうか?と、再度メイン基板の状態をみると・・・おおお〜〜〜プリ管に繋がっていたケーブルが2本外れていました。このせいで、プリ管2本が働いていません。ハンダをやり直した際に抜け落ちたんでしょうね。やり直しです。スタンバイスイッチを切りました。すると!以前出ていた大きなノイズが出なくなっていたのです!おお〜これはこれは!ラッキーです!


ワイヤ2本のハンダ付けをやり直して、メインボードを元通りシャーシに取り付けました。


サウンドチェックです。おっ!電源スイッチ、スタンバイスイッチ、両方ともまったくノイズ無し。電源ノイズも気にならずです。5弦6弦を強くアタックしてもクリーンなサウンドが出てきます。全く問題ないですね!この状態をキープしつつ慎重にキャビへ戻しましょう。

実はこのキャビへシャーシを戻す作業が意外にも大変なんですよ。まずシャーシ自体がかなりの重量ですし、中腰で定位置にはめなければなりません。さらに上手く吊りネジ位置と合わせるために、片手で引っ張り上げつつ位置を探らなければなりません。しばしドタバタしてすっかり疲れきってしまいました。腰イタッ! で、組み立て完成!

もちろん、すぐに最終的なサウンドチェックです。すべての操作が問題なくできて、スタンバイスイッチのノイズも全く無し!大成功です!2010年12月21日からスタートしたレストア作業は、これですべて完了しました!挑まれたギターアンプ・レストアを無謀にも受けて立った私ですが、ようやくやり終えて今はとても満足です!

Complete !



以下の項目が、今回のレストアで私が行った作業です。

1 入出力ジャックのクリーニング(ノイズ除去)
2 スピーカー2発交換(オリジナルスピーカーが両方死んでいた為)
3 スピーカーコード交換(コードとプラグがチープだったのでベルデンで製作)
4 スピーカー留めボルト交換(1本不足していたのでついでに8本全部ステンレス製に交換)
5 真空管11本全部交換(劣化がひどかったため)
6 リバーブポット製作、交換(オリジナルが完全に壊れていたので交換)
7 リバーブユニット断線修理(内部の配線が1か所断線していたので修理)
8 コントロール系基板の半田点補強(基板から劣化したワイヤが外れたので8か所補強)
9 真空管ソケットハンダ補強(切れかかっていた配線を取り付け補強)
10 クリーンチャンネル用LEDハンダ割れ修正(足1本のハンダが外れていたのでハンダ付け)
11 フットスイッチ新規製作(欠品していたのでオリジナルデザインで製作)
12 メイン基板のハンダ浮き修正(爆音ノイズが出ていたので、その原因を除去)
13 サランネット張り替え(サランネットに破けの補修跡が有ったので新しい物に交換)
14 Fender ロゴ 磨き(メッキがかなりくすんでいたので磨いた)
15 キャビ裏面の真空管保護板製作(欠品していたので新規製作)
16 キャビ裏面下部のボード製作(材が貧弱で作業中に破損したため)
17 トーレックス剥がし(トーレックスにキズ、破れが多かったため除去)
18 キャビ下地サンダー掛け(古い接着剤除去)
19 トーレックス貼り(スネーク柄の合皮を貼った)
20 コーナーガード交換(オリジナルが錆びすぎていたため)
21 吊り座金塗装(キズが目立ったため)
22 メイン基板の半田点をすべてやり直し(ノイズ最終除去のため)
23 バイアス調整

無事にここまでたどり着けたのも、皆様のご協力の賜物でした。ご協力いただいた皆様をご紹介いたします。一部、お名前が仮名になっていたり、カタカナだったりしますが、ご本人が通常そのように表記されているので、そのままといたしました。


お礼人リスト(登場順)私にとっての「伊達直人」だった皆さんです。

Mr.Henry Kaiser(このレストア作業のきっかけとなる発言をいただきました)

町田文雄様(仮名 The Twin 本体をご提供いただきました)

株式会社アルニック野村社長(Jensenスピーカー2発ご提供いただきました)

綿貫義久様(かつていただいた12AT7が今になって役立ちました)

千葉県在住荒井恵様(爆音ノイズ除去のハウツーをご助言をいただきました)

イノウエヤスシ様(サランネットのご提供をお申し出いただきました)

是永功一様(GAINチャンネルの動作について、電話で助言していただきました)

メールや掲示板書き込みでサポートして頂いた皆様

レストア行程を飽きずに温かく見守って頂いた皆様


さて、このレストア作業で私が支出したコストはいくらだったのでしょうか?当家にあった材料は全く計算に入れず、純粋にこの作業の為に追加で私が支出したのは、20,550円でした。この程度で済んだのは、やはりスピーカー2発をご提供いただいた結果ですね。もしスピーカーや真空管、スピーカーケーブル、フットスイッチのケースや材料等を全部買ったとしたら・・・。たぶん総額5〜6万円程度になっていたと思います。人件費は計算していないのですから、それまで考えるとなると、ショップに頼んでレストアしたらとんでもない金額になったということですね。

今回の作業を通じて、私自信の中には多くのハウツーが育ちました。これまでに書ききれなかったコツもいくつかありました。当初あったチューブアンプへの恐れみたいな感覚が見事に消えて行くのが自覚できました。すでに新しいチューブアンプを組んでみたいとの欲求も沸き上がって来ています。ただ現時点では財力の問題があって、なかなか先に進めませんがね。

もし、あなたが「チューブアンプもらったんだけど、音が出ないんだよね・・・」と悩んでいらっしゃったら、かなり覚悟してレストアに取りかかってください。そして、何も材料や道具が無い状態から始めるのでしたら、ヤメておいた方が良さそうです。電動工具もいくつか必要ですので、対費用効果で考えれば、かなりマイナスになりそうですからね。それでも知的好奇心を満足させる為に取り組むのでしたら、知力体力財力が続く限り頑張ってください!応援します!

最後になりましたが、どのように仕上がったのかをご自分の眼と耳でご確認されたい方は、ご遠慮なく当家へおいで下さい。時間が許す限り対応いたしますよ。


追伸
ひょっとしてどなたかの役に立つかもしれませんので、以下にレストア全行程を日付順にリンクしました。

● 物欲的重増幅 2010.12.12
● 貢物的記念日 2010.12.21
● 貢物的前聖夜 2010.12.24
● 破壊的真空管 2010.12.26
● 積替的原因追 2010.12.27
● 交換的出力管 2010.12.28
● 本年的修理初 2011.01.03
● 足踏的切替機 2011.01.04
● 煩悩的外装材 2011.01.05
● 前網的交換記 2011.01.07
● 配線的異変化 2011.01.08
● 誤算的保護板 2011.01.09
● 被覆的剥作業 2011.01.10
● 裏板的材料揃 2011.01.11
● 鉋掛的晴天下 2011.01.12
● 発注的外装材 2011.01.14
● 塗装的吊座金 2011.01.18
● 外装的蛇柄貼 2011.01.19
● 御礼的大完成 2011.01.20

本日の結論
皆様のご協力と暖かなご支援に感謝いたします! 特に、町田文雄様のご英断に感謝いたします!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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