BugsGear Support
BugsGearをサポートする理由について
   
DR-50UL
OR-50TW
SJTC-30E
OQC-40E



「なぜ個人的にBugsGearを応援する気になったのか?」

一言で言えば、商品が気に入ったことに尽きる。
私が欲しかったタイプのアコースティックギターが、手の届く価格でそこに在ったのだ。
だが、同時に製作・販売する「有限会社ストリングネット」社長の努力と苦悩も知った。

2004年8月のある日、ヤフーオークションに出品されていた派手なデザインのアコースティックギターが気になった。数か月前から出品されていたが、まったく無名の「BugsGear」というメーカーだった。落札者の評価を観察すると評判が良かった。しかも、かなり安い。見かけが派手でもサウンドが真っ当で無ければ、いくら安くても意味は無いし売れないだろう!

オークションで購入する場合、事前のサウンドチェックは難しい。いくら安いとは言え10万円前後の支出をするのだ。有名ブランドであれば迷いも無く買ってしまうだろうが、無名ブランドはそれが出来ない。それなりの事前調査は必要だろう。だが、その時点ではオークション落札者のわずかな評価しか手がかりがなかった。

さらに調べようと製作途中の「BugsGear」WEBを発見しアクセスしたところ、そこに書かれていた材料等のデータから観るに、かなり真っ当な造りのギターであることが想像できた。50万円〜100万円クラスの高級ギターと同じ材料を使って作られているようなのだが、書かれていた商品説明文が不安を掻き立てた。誤字や文脈、言い回し等が日本語としてかなり不自然だったのだ。

さらに読んで行くと会社の住所が表記されていた。驚くことに、私の自宅と「BugsGear」を製造・販売している「有限会社ストリングネット」は車で10分の距離であることが判明した。さらに経営者は韓国人の「カク ポンヨル氏」と表記されていた。このブランドは「韓国」で生産されていたのだ。ちなみこの時点で、私自身はいまいち韓国製ギターへの興味が無かった。

せっかく優良なギターを安く製作・販売しようとしても、この日本語表記が怪しいWEBではアクセス者に不安感を持たせる可能性があると「カク ポンヨル氏」宛にメールを送ってみた。もちろん具体的にどの部分をどのように訂正すれば良いのかを書いておいた。2時間後、返事が来た。文案は本人、WEBデザイナーも韓国人だという。まだ日本語が完璧では無いので、日本語化に関して実は助けを借りたいのだと正直な言葉が並べられていた。

かくして、その週末に一度顔を会わせを行うことになった。私はそこでギターの試奏が出来ればそれで良いと考えていたのだが・・・。「カク ポンヨル氏」と話しをするにつれ、これはかなり真面目な商売であることを感じさせた。日本の市場に参入するためにまったくゼロから出発するのである。リスクは大きい。それを乗り越えるためには商品の「クオリティー」がずば抜けていなければならない。さらに価格の戦いが待っている。「有限会社ストリングネット」は、販売代店をほとんど使わずWEBショップでの直売方式でしばらく運営する予定だという(現在は、大坂方面の販売代理店が存在している)中間マージンを極力省き、低価格を保つとの意志が強かった。

話しだけでは意味が無い。私は試奏を行った。始めてみる実物の「DR-50UL」は、写真に比べて思ったより上品な雰囲気を持っていた。何本かを手にしているうちに「これはいける!」との確信を持った。バランスの取れた気持ち良いサウンドだった。充分に響いている感じだ。ネックがアコースティックにしては薄めで弾きやすい。エレキから持ち替えても違和感が少ない。弦高も出荷時のセッティングで程良い高さだったが、私自身はもう少し下げたほうがより良いと感じていた・・・。

製品に納得したので、WEBの日本語に関して引き続きお手伝いすることを申し出ると、カク氏から「モニターとしてギターを持って行って下さい」と申し出でがあった。私とは初対面であったが、その申し出ではtanabe.tvの六弦倉庫を御覧になっての判断だという。望むところだ!すぐに自宅に持ち帰り付属のレンチでネックの調整を行った。誰にでも簡単にできる調整だ。かなり弾きやすいセッティングとなった。音だけでは無く、ネックを握っていても気持ちよい。私が気持ちよいことは、他の六弦マニアの方々も気持ちよいはずである!これで、私の中に一気に「BugsGear応援隊長」としての意識が芽生えはじめたのだ。

世界中には、有名なギターがたくさん存在している。ギターキッズやギターオヤジたちの憧れのギターが多くある。だが手に入れたくても、そこには「価格」の壁が待ち構えている。たとえ手に入れても、外に持ち出せない程の緊張をしいられる高額ギターも存在している。そんな壁を打破し、だれでも気軽に使える高級ギターの生産を目指す「BugsGear」ブランドなのだ。少数手作りなので、現時点では月間30本しか生産できない状況のようだ。

BugsGear が今後日本でどこまで成り上がっていけるか?楽しみだ。一企業がスタートしそれがどのように成長して行くのか?をつぶさに観察し続ける事はめったに出来ることではない。私が助言し、手伝えることはわずかでしか無いが、5年後10年後に BugsGear が生き残って行くための一助になればと考える次第だ。BugsGear ブランドが生き残って行くことは、私自身が新作ギターの試奏を次々に楽しませてもらえる結果にもなるのだがね。

経営者の「カク ポンヨル氏」は酒を飲まない。たばこも吸わない。音楽好きの敬虔なクリスチャンである。
私は宗教には興味ないが、ギターだけではなく彼の真面目な人柄にも惹かれてしまったのだろう。


2004.10.07 記す


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