突然的救世主

2019年10月31日 救世主が次々に!


突然会うことになった Mr. Sean Murphy


「一種の精神的救世主ではなかったのか?」

本日は宗教的なことを書くのではありません。そこここに潜むさりげない救世主の存在についてです。
本年10月に入り、いくつかの懸案事項があって精神的にダメージが有りました。大きく分けて2つあったのですが、そのひとつに「アルミケース加工問題」がありました。これは私が製作している弾駆動や禅駆動のケース加工のこと。実は今までケース本体購入とその加工について某社にお願いしていてここ6年ほど上手く進んでいたのですが、そろそろ加工済みケースの在庫が二か月分ほどになったので、追加発注しようと連絡した所「残念ながら、ケース加工の工場が廃業してしまったため、お受けすることが出来ません。ケース自体の販売も現在庫を持って終了いたします」との返事が届きました。ううむ・・・。やっと安定したルートが出来たと思っていたのに・・・。



同業者の光瀬さんに相談して別の会社を紹介してもらったのですが、加工設計図を送り見積もりをお願いしたところ「このケースには角穴が必要ですね・・・。残念ながら当社では角穴加工は出来ないのですよ。もっと精度の良い機材が無いと加工できませんから。ケースだけなら販売できるのですが・・・」おっと!これまた撃沈・・・。苦悩する私の心を見透かしたようにその時電話がかかってきました。

電話の主は、当方でいつも回路基板の製造をお願いしている株式会社アルニックの野村社長でした。私のFacebookの書き込みを見て救いの手を差し伸べてこられたのでした。野村社長の会社は複数の工場の集合体のような場所にあります。工業団地というほどではありませんが、お互いに協力しあって居るとか。その中に金属加工の会社があるので「設計図と加工見本があれば仲良くしている工場の社長に相談してみますよ」との申出ででした。ありがたい!今までのコストもお伝えして検討していただくことに。

そしてようやく、10月31日午後になり第一候補の会社の見積もりが出てきました。今までと同じ様なコストで出来ることが判明。ただし、加工は一度にまとめて全部は時間的に難しいようで、加工工場の時間がある時にやってもらうことで年に数回に分けて分納してもらうという条件でした。当方としても、一度に全部加工してもらっても在庫管理が難しいので、使った分だけ補充してもらうのはありがたいかなと納得しました。

実はもうひとり別件で重要な救世主が現れたのです。それについては内緒なのでここでは書けませんが、やはり精神的に助けられました。人生にはいくつもの落とし穴があり、いくつもの選択肢があり、そのたびに右往左往してしまいますが、最終的にたどり着くのはいつも協力者の存在による救済です。いつも誰かが救いの手を差し伸べてくれて生き延びることが出来ました。自力では能力的、財力的、知力的に不足する部分を補っていただける方が突然現れるのですよ。

ということは、救われるだけでなく私自身もそのような救う側の立場にもなれるということですね。さて私は何を持って他人を救うことが出来るのでしょうかね?財力でもなく知力でもなく、ましてや体力でもないとなると・・・一体何が私に出来るというのでしょうか?救う人と救われる人の関係性は微妙ですよね。救う人にとって救われる人は「救われる必然」があるのですからね。もしくは「救われる人は救われるだけの人的魅力がある」とでもいいますかね。いやいや自分のことを言っているわけではないんですよ。なんと言えばよいのか・・・人の窮地を救う行為は対価ではないですよね?何かを求めて救うのではなく「救い出したいから救う」という無償の行為が原点ですからね。つまり、救い出したいと思える衝動を引き起こさせる魅力がないと本人も救い出してはもらえないと。

災害時の救助のことを言っているのではないのです。日常に潜む落とし穴や窮地に陥った人を救い出すための行為のことを言っているのです。時には身銭を切ることも必要となってきます。それでもやってあげたいと思わせる「何か」が「人的魅力」ではないかと思ったのですよ。例えば仕事の関係性だけで付き合っていると、そこにはコストが絡んできます。コストありきの話になってしまいます。それを度外視しした時に初めて「人的魅力」が生まれてくるのではないでしょうか?

最初に書きましたが私は多くの方に支えられてここまで来ました。無償の愛がそこにはたくさんありました。それに対してなんとかお返ししようと私自身も動いてみました。とても全部をお返しできているとは思えません。しかしそれはお互い様で相手の方も私のお返しを期待しているわけではありません。私が今できるのは気がついた時にささやかなお返しをさり気なく行う程度のことです。

まだまだ乗り越えるべき壁は高くて、ここしばらくはオロオロする日が続きます。しかし、それらもこうやって協力者の手が伸びて少しづつ解決しつつあります。妻がよく言う「大丈夫!なんとかなるわよ!」の掛け声が頼もしく聴こえる日々でもあります。今日は私も少し心に余裕が出てきたと感じました。理由は・・・。

NY在住のユーザーから修理依頼があり、そのユーザーの弟が中目黒在住なので、代理で弟が東横線日吉駅待ち合わせして「弾駆動」を持ってきました。私は彼をコーヒーに誘って30分ほど英会話の特訓を兼ねて雑談を繰り広げましたが、判明したのは弟さんはギターは弾かないのですが Robbe Ford と Richard Thompson の大ファンで Blue Note Tokyo にも Robben をよく聴きに行くようでした。ご両親がアイルランド出身なので Richard Thompson ファンというのも頷けました。5年前から勤務先は綱島の某企業だとか。テクニカルに関する弁護士だそうです。ということで、またしても30分間英語漬けのコーヒータイムでした!結構楽しめましたよ!修理が済んだので明日また同じ時刻に日吉駅で返却です!ちなみにフットスイッチの交換だけでしたがね。

こんな突然の国際交流が自然にできてしかもそれを楽しんでいる今日の自分がいました。そして日吉駅で別れてそのまま私は徒歩で自宅まで帰りました。45分間の散歩です。天気が良くて爽やかな空気に気分良く歩いていられました。そのことを楽しんでいる自分がいることに気づけたというのは「心の余裕」が生まれ始めたからでしょう。緊張感もなく自然体で、初めて会うアメリカ人を「Let’s grab a coffee!」とコーヒーに誘う余裕。しかも生まれて初めて使ってみた英語のフレーズですからね〜。それを人は歳のせいで厚かましくなっただけだと言うかもしれませんが・・・。この、私に会いに来てくれたアメリカ人弁護士も一種の精神的救世主ではなかったのか?と思った次第です。


本日の結論
よく見渡せばどこにだって救世主は存在し、自分自身も救世主になれる!!!

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