寒空的返礼考


2019年01月15日 外に出るのが億劫なので御礼の話でも・・・!

今朝福岡から届いた「あまおう」の意味は?


「例えばこんな例がありました

2019年がスタートして早くも15日目。昨日は暖かかったのに今日はかなりの寒空で外出する気も失せてしまいました。そしてお昼になり、何することもなくぼうっとしていたら「いかんいかん!たまには更新しておかないと!」と気づいてiMacの前に座りました。なんだか最近はあまり更新したいと思うネタがなくってね。一つの原因は Facebook にあると思うんですよ。とりあえず気になったことや面白そうなことを手短に書いて投稿するので、その時点で満足してしまって、tanabe.tv の更新にまで至らないんですね!

そんな今朝のことでした。
突然、福岡の大石さんから「あまおう」が贈られてきました。おおお!!!まさに季節の果物ですね!数日前にも自分で「あまおう」を買った食べたばかりです。これは「小さな親切」に対するお礼の贈り物でした。別にお礼を期待しての親切ではないので、予期していなかっただけに嬉しい贈り物でした。大石様ごちそうさまです!

さてこのようなモノをいただくとふと思うのですが「情は人の為ならず」という言葉です。これを今の若者の解釈では「情けをかけるのはその人のためにならない」なんて思っている方がいてガックリ来ますよ。本来は「人のために情けをかけると、いずれは自分に返ってくるのだよ」という言葉ですね。つまり、何気なく行った親切はいずれ別の形で自分への情けとして返ってくるという意味ですから。今回はその典型的な例ですね。

ということは、その逆もあるってことです。「他人から親切にされたら必ずそのお礼をしなさい」ということ。金品ではなく、言葉だけのお礼かもしれないですがね。私もたまにふと「ああそうだった!」と他人から受けた親切を思い出して、何らかの贈り物をすることがあります。高価なものではなくてもいいんです。その方が好きそうなものを少しだけね。相手が負担に思うようなものではだめですから。

また、別の形の親切の返し方もあります。例えば、アメリカにホームステイしてとても親切にされました。すると、しばらくしてその方の友人が日本へ初めて旅行に来ると連絡がありました。もちろん私は来日される方のために2日間時間を空けて、きっちり東京観光にお付き合いしました。このように、御本人に対するお礼として、そのご友人に対してお返しするというやり方もありますね。更にその後、来日された方からは御礼の品が送られてきました。私が参加した東京案内をまとめたアルバムでしたが、とても立派なものでした。期待していなかった分だけこれもまた喜びが大きいですね。

事前に御礼を仕込んでおくという手もありました。2015年に Mr. Henry Kaiser と奥さんの Mis. Brandy Gale が来日したとき、まる3日間東京観光にお付き合いしました。素材撮りとして、その間に二人が観光している様子の写真を取りまくり、時々ムービーも撮影しておきました。そして彼らが帰国してすぐに編集に取り掛かり、一本の東京観光ムービーを作りました。BGMはもちろん Henry のCDから拝借。完成後はすぐに Henry 宛に配信しました。幸いその時、Brandy のご両親が彼らの家に訪問されていて一緒に鑑賞され大喜びされたとか。この場合のムービーは「あなた方が日本へ訪問していただいた御礼です!また来てくださいね!」という意味でした。

これは親切に対する御礼とはニュアンスが違うのですが、オーダーされた禅駆動や弾駆動を海外にお送りして、それを試奏後ライブでも使われたギタリストからサイン入りのCDが届くことがあります。「この音が欲しかったんだ!ライブのサウンドが良くなったよ!」との御礼でした。まったく届くことを予想していないCDですから 「あっ!俺はこのギタリストの役に立っている!」 という実感がありますよね。とても嬉しいんですよ!

実はここが重要なんです。お礼をするってことは義務ではないですよね?「あなたのとった行動が私の役に立ちました」という相手に対する自主的な意思表示ですよね。そうであれば、気軽に頻繁にそれをやればよいだけです。身構えるからなかなかできないんですよ。よくないパターンは「御礼をしなければならないし・・・一体何を送ればいいんだろう・・・」と悩んでいるうちに数か月過ぎてしまいウヤムヤのうちに忘却してしまうことです。もう一つは、あまり大げさなものにしないことです。返って気を使わせてしまいますからね。

例えばこんな例がありました。
ギター製作者の方からハワイアンコアの端材とフレームメイプルの端材をいただきました。自作ナイフのハンドル材にするためです。このご提供はありがたかったので、その後ナイフが出来上がってから、なにか気の利いたお礼しようと自宅内を探したらかつてハンコ屋さんから手に入れた「象牙の端材」が出てきました。一般の方にとっては全く意味がない端材ですが、ギター製作者にとっては「アコースティックギターのブリッジ」や「ナット」の材としてとても貴重なものです。私はもう使わなくなっていたので「端材の御礼は端材で」とお送りしましたら、大変喜んでいただけました。昨今、象牙材が手に入らなくなっていたので助かると言われました。(ちなみに、この象牙端材は法的に問題ないものです)

更にはこんな例が。
かつて当家の車が交通事故に巻き込まれて、散々悩んだ末に弁護士の方へ相談しました。その方は私のペダルのユーザーでした。まずは、会って具体的に対策を立てましょうとのご提案がありました。弁護士の方と相談するのは初めての経験でしたし、私自身がその事故でかなり精神的に弱っていて、ご協力いただけるのがとてもありがたかったので、御礼の品を持って伺いました。それは「Mr. Robben Ford の写真入り生サイン」を額装したものでした。私にとってコスト的には僅かなものですが、Robben 大好きの弁護士でしたので大喜びしていただけました。もちろんその後はスムーズに事が進み、裁判沙汰になりましたが大有利の結果に!

素敵だなと思った記憶に残る御礼の品もあります。
私の作った禅駆動が Youtube で初めてデモ演奏が紹介されたときのデモ映像製作者としばらくメールでやり取りしていました。その後、彼の機材が盗難にあってペダルボードが盗まれる事件が発生。それを知った私は、すぐに代替え機を作って無償で彼に送りました。そしてしばらくしたある日、彼からダンボールが贈られてきました。開けてみるとお礼の手紙と家族写真と、奥様手作りのバターたっぷりクッキーが御礼の品として入っていました。温かみを感じましたね。御礼=コストではないですよね。

御礼は品物ではなく体験もあります。最近よく私が繰り出すのは「Larry Carlton の楽屋へ一緒に行きましょう!」や「Robben Ford に会いにいきましょう!」「相撲部屋にちゃんこ食べに行きましょう!」などの体験型御礼です。普段経験できない経験を一緒に楽しもうという趣旨です。

全く困った御礼というのもありましたが・・・。
Mr. Howard Lesse に親切にしたら「いま、ラスベガスでショーをやっているから招待するよ!いつでも来てくれ!」というもの。1か月半のショーだったようですが、まずはそこへ行くコストが・・・。もっとも2010年に東京でLIVEをやったときにも「友達を何人連れてきてもいいよ!全員入れるように手配するから!」と言われて数名で押しかけましたけどね!

技術ある方は技術で返礼し、特殊な環境がある方は環境でお返しし、普通人は普通のさりげない品で返礼すれば良いってことですかね。一つ忘れてはならないことは「相手が喜ぶか?」ってこと。大ウケしたときは自分も嬉しいですからね!


本日の結論
お金をかけずに御礼というのが実は一番難しいんですけどね!

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