博士的二日間
2016年03月12日 そしてこうなった!

Dr. Lisa Tauxe   Dr. Hubert Staudigel


「ウエニマイリマス!」

これは記録として書き残すものなので、関係者以外にはあまり面白く無いかも・・・。


アメリカから来られた博士夫妻との交流は上手くいったのか?果たしてその実態は?3月10日と11日の2日間に渡る英語漬けの日々をご紹介しよう!ちなみに、彼等は カリフォルニア州の San Diego に自宅を持っている。実は、すべてが終わる頃に、世界的に高名な学者夫婦であると判明したのだが、あえてそれには触れずにおこう。なぜなら「友人夫妻」として私は対応したのだから・・・。基本情報として・・・ご主人は南極大陸で研究中に Henry Kaiser と知り合って友だちになったそうだ。Henry は水中撮影のプロダイバーとして参加していたのだ。


3月10日の早朝、京都を出発し11時に浅草のホテルに到着した夫妻は、ホテルで私との合流を待っていた。計算違いでちょっと約束の時刻に遅れた私だが、なんとか11時15分にホテル着。すぐにロビーで面会となった。人懐っこい笑顔で大男の Dr. Hubert Staudigel はいきなりのハグで初顔合わせをいたく喜んでいた。奥様の Dr. Lisa Tauxe も穏やかな笑顔で知的な笑顔をたたえている。それにもう一人、今回のホスト側東京大学の担当者であるSaiko さん。

私は昨年春に3か月間英会話を習っただけだからと一応予防線を張っておいたが、容赦なく彼等の英語が私に向かって打ち出されて来た・・・。此処から先は敬称略で書き進める!

まずは彼等と共通の友人である Henry の家に私が昨年9月に滞在した話をした。写真も持って行ったので、それを眺めつつね。初顔合わせなのにもうその時点で共通の友人の話で盛り上がり、かなり以前からの知り合いのような交流が始まってしまったのには笑った。「友達の友達は皆友達だ!」ってな感じだね。Henry がかなり詳しく私のことを教えておいてくれたようだね。

それから全員で銀座へ移動。これは昼食のお店が指定されていたからだ。銀座「ひつまぶし」で食べ方をレクチャーしつつ3段階で食べ進み、ご夫妻は「おいしい!」を連発。よかった・・・。喜んでもらえた!もちろん私自身も美味しく頂いたのだがね。


銀座の「ひつまぶし」 にて

帰路にちょっとだけ松屋のデパ地下に寄って、日本の食品事情をご紹介。Hubert はいくつかあるパン屋のバリエーション豊かな陳列に興味津々だったね。最後に和菓子の店の前を通ったら「桜餅」が有ったので「この季節の名物和菓子」と説明してプレゼントした。ちなみに Lisa は甘いモノが苦手なようだがね。

Lisa と Saikoさんはこの後、セミナー用の資料作りがあるのでホテルへ戻った。私と Hubert も一緒に浅草まで戻り「かっぱ橋道具街」の散策に向かった。Hubert は料理が大好きなのだ!ビールも自家製だという。舐めるようにほぼ全店舗を見て回り、Huburt が買ったのは「ひょうたん型七味入れ」と「檜のお菜箸」だった。なかなか渋い選択である!

その、かっぱ橋探索の途中で、Hubert から次々に質問が浴びせられた。最初に飛び出した質問は「なぜ?私をかっぱ橋道具街に連れて来たのか?」その質問の意味は後で判明したが「私が料理好きだとなんで知っているのだ?」ということだったらしい。「こんな顔つきの男はみんな料理が大好きなんだよ!」と答えておいた。

他にもゴツゴツした「山椒のスリこぎ」を見つけて「これはなに?」なんてね。必死に英語で説明する私だった。さらに「広島で食べたお好み焼きは何故あのように大量のキャベツを使うのか?」これもまたお好み焼きの調理理屈を述べて理解してもらった。更に難しい質問は続いたのだが・・・。結局、このような質問攻めが英語の瞬発力を鍛えてくれるのだね。とてつもなくトレーニングになったなあ!


かっぱ橋道具街にて

やがて17時になったので、私は Hubert をホテルに送り届けてお別れしようとしたのだが、ロビーでさらに30分ほど話し込むことになって・・・。その夜、彼等は神楽坂の天ぷら屋に行くと言っていた。楽しんでいただけることだろう!ちなみにこの日私が歩いたのは14,000歩。久しぶりの長歩きにちょっと疲れたがね。


神楽坂の天ぷら屋にて


3月11日は早朝から夜までスケジュールがびっちり!
Lisa と Saiko さんは午後からのセミナーのための準備でホテルにこもるという。Hubert は前日「築地に行きたい!隅田川クルーズに乗りたい!」とのリクエストを伝えてきたので、12時までにホテルへ戻れるように細かなスケジュールを組んでみた。そのためには朝8時にホテル待ち合わせでスタートしなければならない。

私は6時起きで自宅スタート。ホテルのロビーへは7時45分着。今日は遅刻しなくて済んだ。すぐに Hubert が出てきたので、前日の帰りに買っておいたお土産をお渡しした。「おたふくソース」だ。彼はお好み焼きを自宅で作りたいと言っていたので「これがないとお好み焼きは仕上がらないよ!」とお渡ししたのだ。もちろん大喜びしてもらった。

では移動開始!まず目指すのは築地場外の「すしざんまい本店」この店は24時間営業なので、築地に行きたがる外国人のお客さんを連れて行くのに便利なのだ!もちろん旨いし、程々の値段だし!先日、ひつまぶしをごちそうになったので、この寿司は私の支払いとした。これで貸し借り無しね!


すしざんまい カウンターにて

ちょっと長めに寿司屋にいたので、築地場内は短めの見学とした。Hubert はどの店でも興味深く陳列された魚介類を眺め、写真に納めていた。20分ほどで移動開始。次に目指すのは徒歩10分の「浜離宮恩賜公園」だ。生憎の小雨ぱらつく中を傘もささずに歩く。


築地場内にて

「浜離宮恩賜公園」は65歳以上であれば入場料150円だ。そこで Hubert に年齢を聞いてみた。66歳だという。ハイこれで150円決定!私は300円を支払って場内へ。10時30分の浅草行きクルーズ船に乗れればOKなので、それまで「浜離宮恩賜公園」を散策。雨の中だったが、Hubert はとても気に入ったようで、写真を撮りまくっていた。ここでも、一緒に歩きつつ質問攻めだったのだがね。


浜離宮恩賜公園 にて

そこで大きく気づくことがある。英会話をいくら勉強してもそのバックボーンに「日本の歴史」や「物の仕組みや理屈」をもともとしっかり知らないと何も質問に答えることが出来ないってことだ。学者である Hubwert は質問が好きだ。そして的確な、理屈が理解できる答えを求めている。英語で応え続けることは精神的体力がかなり必要だ。自分の瞬発力がとてつもなく試されている感じがする。必死になってなんとか答えて伝えようとしている自分が面白い!実に面白い!と、思えるようになっていたのに自分自身が驚いたのだが・・・。


隅田川クルーズ


吾妻橋にて

やがて10時30分になり、「浜離宮恩賜公園」の奥にある隅田川ボート乗り場で乗船。浜離宮からは45分掛けて浅草の吾妻橋にある船着き場まで移動する。のんびりとした45分だ。ちょっと早めにホテルに戻れたので、1階でちょっとだけコーヒータイム。12時にロビーまで戻ると、Lisa と Saiko さんはロビーにあるデスクで、資料作りの仕上げ真っ最中。


つくばエクスプレスにて

やがて出発時刻になったので、つくばエクスプレス浅草駅へ移動。「柏の葉キャンパス駅」へ向かう。約24分。駅前からバスに乗り、更に移動し「東京大学海洋研究所」へ。13時半に到着。江崎教授の研究室へ。ここへ至る道中で面白い体験をした。

ホテルから出るときと、この研究棟のエレベーターに乗った時のこと。Lisa が「ウエニマイリマス!」「シタニマイリマス!」とつぶやいているのだ。確かにそう言われれば、エレベーターに乗る度にそのアナウンスが聞こえてくるなあ。気にしてみるとやたらに聞こえてくるし、なんだか笑えてくる。ということで、Lisa が新しく覚えた日本語は「ウエニマイリマス!」と「シタニマイリマス!」しかもあの口調でね。


                山崎俊嗣教授 と Saiko さん

東京大学海洋研究所に到着後はしばし研究施設の見学。私も付き合ったが意味がわかるわけもなく、ただキョロキョロしていただけだったがね。しばしご歓談の後に、いよいよ本日のメインであるセミナー会場へ。20名ほどの学生や教師たちが集まってきた。

まずは Lisa から1時間みっちりと地磁気についての講義。活発な質問もあり、なかなかの盛況。16時になり、Huber のご登壇。これまた1時間に渡り南極大陸と火山や海底についての講義。そこで観せられたムービーは Henry Kaiser が撮影したものだった。もちろんジョークも忘れてはいない内容。講義終了後も立ち話が続いていたなあ。


講義終了後のご歓談

17時にすべての予定が終わり、つくばエクスプレスで帰路についた。次に全員で向かったのは人形町。親子丼で有名な「たまひで」に「鶏すきコース」の予約が入れてあったのだ。


「たまひで」では前菜から美味しい鳥料理が次々に提供され、一同「おいしい!」を連発!Hubert は料理が出される度に写真を撮りまくり!料理の最後は「たまひで」名物の「親子丼」!もちろんこれも撮影!


締めの果物とデザートまで頂いたら、全員お腹は満タン!最近少食にしていたので、こんなに食べたのは久しぶりだったね。大満足!私は関係者外なのでちゃんとお支払いしたのだが、このコースのお値段はヒミツだ・・・。!最後に中居さんに記念撮影をしてもらってお開きとなった。



ご夫妻からは「自宅が広いしゲストルームもあるから是非遊びに来てね!頻繁に学生を集めてパーティーもやっているし」と本気で誘われた。そのうちに時期を見て遊びに行くことにしようか!また英会話学習の新しい目標が出来たって感じだ!

店の前で、お別れの時が来た。挨拶とハグをして・・・。

"See you in San Diego someday! ----- Or Antarctica!"

「いつの日か、サンディエゴでお会いしましょう!もしくは南極大陸でね!」

このお別れの一言で博士夫妻から最後の笑いを取れたのは、自分でも満足だったね!2日間の中で何度もジョークにトライしてみた。かなりの確率で笑ってもらえたが、英会話を楽しむコツはジョークを如何に発することが出来るかにかかっている気がしたね。未熟な英会話能力の中で精一杯のジョークを楽しめたのは幸いだ!もちろん、彼等が頻繁に発するジョークも十分に楽しめたのは嬉しかったな!

今回の出会いは、私にとってとても不思議な体験だった。全く初めて顔合わせした世界的に高名な学者夫妻と友達として過ごし、2日間ひたすら英語との戦いだったが、それが心地よかったのだよ。そして、様々な思いや発見があったのだが、それらはここに書くことではないので、これから自分自身の中で反芻して自分の向上の為に思考と勉強を続けよう!この歳になっても、まだ新しい面白さを発見できたのはとても幸せなことだ!


本日の結論
英語で発したジョークが通じる瞬間は心地よいね!

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