突入的英会話


2015年06月08日 毎晩ぐったり!

本文に関係なく「太陽のタマゴ」本日ゲット!



「Aカーブ」

孫がまだ2歳になったばかりの頃、日々キッズ用の英会話入門ソフトを見続けていたせいで、日本語は全く話せないのに時折英語でしゃべっていて、発音もネイティブ並みで驚いたものでした。その現象は2年ほど続きましたが、幼稚園に入った途端消えてしまいました。やはり日本語のコミュニケーションが優先され始めたのですね。英語で話しかけてもあまり反応しなくなりましたし。ああもったいない!

さて、自分と英語の関わりを振り返ってみますか。

まず初めてまっとうに英語に接したのは中学一年の教科書でした。This is a pen. から始まる例のやつです。今となっては何を習っていたのか全く思い出せませんがね。今考えれば、当時の先生の発音はかなりひどいものでした。まあ、1965年当時に私の育った環境で外国人を見た記憶がありません。つまり英語を使う環境が日常的に全く存在しなかったのですよ。もちろん、父母も「敵性語」として英語教育はほぼされなかった世代ですから、家庭内で使うこともありませんでした。

映画を観にいけば、日本語字幕。アメリカ製テレビドラマも吹き替えで、一切英語が必要ない状況の時代。そんなこんなで高校卒業しても一体何を覚えていたのか?よくわかりません。卒業はできたので赤点でなかったことは確かですが。

で、突然やってきたのが就職して5年後、1978年のLAロケでした。先発隊は全員LAに行っていましたので、後発は私一人で沢山の商品を抱えて飛びました。帰りのエアチケットはLAで買った方が安いという理由で、片道切符で行きました。現金は1,000ドル持っていましたね。

そして!案の定、イミグレで捕まりました。商品を沢山持っていて、怪しげな東洋人。しかも片道切符ですからね。イミグレでの孤独な戦いはなんとか単語を並べ立て「帰りのチケットを見せろ!」と言われた際には「帰りのチケットはこの1,000ドルで買うんだ」と言い張りまして、なんとかその場は逃げ切りました。

それ以来、海外ロケには毎年行きました。年に数回行くことも度々あり、行く度に「英語がもっと話せたらなあ・・・」と向学心が湧くのですが、それもつかの間。帰国後一週間もすると、日々の仕事の忙しさに消え失せてしまいました。まあ、海外の仕事現場では通訳のコーディネーターが付きっきりですから、仕事は問題なくこなせたのですがね。当時、英会話勉強のソフトを手に入れてジタバタしてみたことはあったのですが・・・。何も身につかず。

一時期、アメリカ人の社員を食事に誘って毎月一度英語の勉強をしたことがありました。1年ほど続けましたかね。しかし喋れるようになることもなく時は過ぎ、制作の現場を退くことに。いわゆる管理職ってやつですね。

制作現場に出なければ英語に接する機会もなく、徐々に英会話への意欲は失われました。やがて2005年に「鬱病」が私を襲いました。英会話どころではありません。日々、生きることへの意欲さえ失われるのですから。

しかしついに、その日がやって来ました!

「禅駆動」を製作し始めてから1年後の2008年夏。突然一通の英文メールがアメリカのギタリストから届きました。「禅駆動」に興味があるとの内容だったのです。届いた英文は翻訳ソフトを駆使して理解し、なんとか英文の返信を書いて送りました。今思えば、よくあんな英文で理解してもらったものだと呆れるばかりです。

そして、そのギタリストとのやりとりで無事に「禅駆動」を送り届け、試奏後「大いに気に入った!もう一台作って欲しい!」との返信がありました。初めて私の稚拙な英語が活用されたのです。

1週間後、アメリカのギタリストが試奏の様子を Youtube にアップロードしました。しかもその動画の最後で「これが気に入ったら Mr.Tanabe にオーダーメールを送りなさい!」とメールアドレスまで口走っていたのです。その直後、大変な事態が起こりました。世界中から問合わせのメールが殺到したのです!私は事態が飲み込めず慌てました。

量産する手段もなく、基板からケース仕上げまでひたすら自作していましたので、一日1個作るのが精一杯のスピードでした。そこへ英文メールの殺到です。理解し返信するだけでも大変でした。しかし、全てになんとか返信完了。そうこうするうちに、ユーザーが口コミで広げてくれたようで、さらにオーダーが拡大していきました。

問題は、私の英語理解力と生産能力それに「鬱病」です。オーダーは嬉しいがなかなかスムーズに対応できず苛立つ日々が続きました。そんなある日、オーストラリアのユーザーが日本に来るので会いたいと言ってきました。さあどうしよう?と悩みましたが「ええいなんとかなるかも・・・」と出かけて行きました。結果は意外なことに二人で3時間も話し込んでいたのですよ。何を話したのかは覚えていませんが、知る限りの単語を並べ立てて話し続けました。とはいえ、ほとんどが音楽、ギター、ペダルの話ですからね。専門用語はほぼ英語ばっかりですし。

その後、続々と有名なギタリスト達がユーザーになり、彼らが来日するたびに楽屋で会うことになりました。知人の英語達人である橋本さんに通訳を頼んでいつも二人で出かけていました。やがてそれは苛立ちに変わることになりました。聞き取れる言葉が増えるとともに、それに対して言いたいことがスムーズに言えないのが原因です。何とかしたいなと思い始めました。

2014年1月。今年こそはと思い某英会話ソフトを購入してみました。DVD10枚組。結構な値段でした。10枚見終わったことで、ある程度の英会話を学ぶ上での心構えや日本人の陥りやすい間違い、正しい発音を身につける方法等が分かりましたが・・・どうもこのソフトは私に向かないというか、要求されている克服法が私の環境では実現が難しかったのです。さらに仕事も忙しくなり、またしても挫折せざるを得なくなりました。しかし、全てがダメだったわけではなく、発音等いくつかのエッセンスを身につけることが出来ました。

そんなとき、ひとつの方法を思いつきました。

Hulu を使ってとにかくひたすら英語を聴き続け、ネイティブ英語のリズム感を叩き込むのはどうだろうか?そう考えたのです。それまでもHuluは見ていましたが、全く観点を変えてみたのです。なるべく長く続きそうなアメリカ製のテレビドラマを観続けました。例えば全シリーズ120話なんてなドラマだと、同じ登場人物が同じようなフレーズを繰り返すのですから、嫌でも耳に残りますよね。ドラマ自体も面白いので飽きずに続けられます。

それを実施する時間帯は、深夜寝る時です。ベッドに入ってiPadで見るのです。毎晩2話〜3話をしばらく観続けました。すると、初期の頃はスルリと素通りしてた英語のセリフの単語が時々脳にひっかるようになってきたのです。そして2014年冬のこと。何気なくテレビで外国人がインタビューを受けているシーンを見ていた時に突然!言っていることが全部聞き取れ意味も日本語に翻訳することなくスムーズに英語のままで入ってきました。自分でも驚きました。何だこの感覚は?

英語→日本語へ翻訳→理解 という手順が、英語→理解 に変わった瞬間でした。

これは・・・まじめに学び直せば、今度は喋れるようになるのではないか?しかしまたしても仕事が忙しくなり、忙殺される日々が。Huluの深夜視聴はかかさず続けました。2015年4月になりちょっと仕事が暇になってきたので、今しかないと思い英会話へのチャレンジをやってみようと、再度方法を探しました。そして見つけました。ざっと内容を書けば「90日間の自宅特訓と毎週1回のSkypeによるスキルチェック授業」月に一度の英語だけのパーティーもあるとか。

よしこれを最後のチャンスとして掛けてみよう!と妻に話し入学金を払い込みました。結構な金額でしたが、私が身につけたらその後妻にも特訓をして妻も話せるようにするという約束です。その後、幸いにもこの費用は、経費処理して構わないと税理士にお墨付きをもらいましたよ。

4月25日に先生と面接。これは現時点の私のスキルを確認するためです。まず「到達目標は?」を聞かれ「来日したギタリストの楽屋で冗談を言いたい!」と答えておきました。その後、先生から様々な英語での問いかけがあり、どの程度聞き取れるのか?どの程度英語で答えられるのか?どの程度の発音ができるのか?簡単な単語から始まり、英文和訳、和文英訳と実際に英語でやりとりしていくうちに自分の限界がわかってきました。1時間の面接が終わった時点で、私のスキルは10段階の5であると判断されましたよ。先生は「まったく問題無しです!充分にペラペラになれます!」と言っていました。頑張れば63歳でも何とかなりそうです。ちなみに1段階から始める方もいるそうですがね。

5月11日からすでに学習はスタートしています。毎日ネットで届く宿題と発音サンプルを元に、発音練習、基本的な文法の再確認、穴埋め問題、英作文、そしてその英作文を読んで録音し提出。これの繰り返しです。1か月やってきてこれはかなり有効であると感じ始めました。と言うのも・・・。

今まで何度も挫折してきた時には「英作文して、それを読んで録音し提出」という行為がなかったのです。もちろん提出物にはすべて1日後に添削が入り、間違いの箇所や気をつけるべき発音の箇所等が指摘されます。実はこれが一番効果的であると考えます。

自分で録音して一旦再生してみると「あら?これはいかん!」と悪い箇所に気づきます。そこで再度録音します。でもまたしても「これもダメだなあ!」とやり直し録音。これを嫌でも10回以上繰り返すのです。するとどんどん発音の精度が上がっていきます。さらに、読んでいるうち英作文に文法上の間違いにも気づいたりして・・・。するとイチから録音のやり直しになります。つまり強制されるわけではなく、思考の時間を自主的に生み出しているわけです。

やがて納得出来る録音が終わると、1時間〜2時間も費やしていることに気づきます。その間、ずっと大声で英語を発し続けるのですからかなり体力を使い続けます。宿題が終わった時にはもうヘトヘト。こんなことが 8月10日まで続くんですよ。英会話習得には他にもいろんなメソッドがあるのでしょうが、今の私にはこれが合う感じがします!

さらに録音のために大声で英語を発していると、ストレスの解消にもなります。カラオケを大声で歌うのと同じ効果ですね。私が録音に使っている部屋は、いつもの作業部屋です。防音室ですから夜でも大声を出して発音練習ができます。スタートから90日後の8月10日が楽しみです!

で・・・実は本当の「到達目標」は違うところにあります。
2年前にアメリカのギタリストで友人の Mr. Henry Kaiser が新しい家を買い、録音スタジオも作りました。そして昨年結婚もしました。Henry は「君のために部屋を用意しているから泊まりに来て!」と今までに何度も誘ってくれました。そうなんです!本当は英会話実践を兼ねての卒業旅行として、 Henry夫婦の家に遊びに行ってしばらく滞在したいのですよ。そのためのお金も蓄え中ですよ。

今は学習成果に対して「まだまだだなあ!」と感じる日々ですが、どうもこのような学習曲線はボリュームポットで言う「Aカーブ」を描くようです。つまり3か月間のカリキュラムであれば、1か月は低迷を続け、2か月目に入り徐々に上昇を始め、3か月目に入った頃にブレイクスルーポイントが訪れ、急激な伸びを示すと。63歳からの手習いは果たしてどのような結末を迎えるのか?スタートから3か月目の自分がどのように変化しているのか?楽しみです!ちなみに学校側は、3か月後ペラペラにならなかったら返金します!と宣言しておりますが・・・。


本日の結論
防音部屋にしておいてよかったとシミジミ思いますなあ。

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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