盲点的電池考

2014年04月10日 9V電池について考える!


不良品の山!



「電圧を疑う・・・基本ですね!」

ようはとても暖かく、まるで初夏のようです。この気温だと、今週いっぱいでこの近辺の桜は散ってしまうのでしょうね。今年は1時間だけ花見をしました。朝は天気がよかったので近所の墓地の花見に娘夫婦と出かけたのですが、現地に付いた途端に雲がわき始め、1時間後にはぽつりぽつりと雨粒が・・・。てなことで、花見はまた来年!


さて、本日のお題は「9V電池」です。最近あれこれ有ったので自戒と反省を込めて記録しておきましょう。

9V電池その1
私が作っているギターペダルの動作チェック用に入れる9V電池はいろいろ試した結果、コストパフォーマンスと性能で「ダイソー」の2個105円のマンガン電池であるGPをしばらく使い続けていました。ところが、昨年頭から不良品に出くわす確率が高くなり「何が起こってるんだ?」と気になり始めたのです。不良品というのは電圧不足の事。正常なものは9.6V以上あるのですが、1Vや2Vなどと全く役に立たない個体や、8.9Vなどと微妙に不足しているものも混ざっていていささか困っていました。

そして1年前、ダイソーの店頭からその9VGPが突然消えたのです。店員に聞いてみると、不良品頻発でクレームが相次ぎ、販売停止になり店頭から全商品を回収しメーカーに返品したというのです。再び販売されるかどうかは当時不明でした。

手持ちの9VGP在庫がほとんど無くなっていた私は、ネットで探しまくったところ、某模型飛行機屋さんが販売している事を発見!しかし販売にあたって条件が有りました。「難あり。電圧低下の商品が混ざっている事を承知で買ってください」というもの。そして、250個単位で買うと1個17円という破格!これなら50%が不良品でもまだまだ激安ですね。迷わず500個購入してみました。その結果やはり不良品率は高く、30%程度は使い物になりませんでした。以下の画像がその不良品の山です。書かれている数字はテスターで計った電圧です。もうこれらは使い道が無いので廃棄するだけです。もったいないなあ・・・。


この不良品満載の9V電池もそろそろ底をつきかけて来た先月の事。突然、ダイソーが再び9VGPの販売を再開したと知りました。これでまたいつでも手に入る事になりひと安心です。で、教訓。電池は必ず電圧をテスターで測ってから使いましょう!

9V電池その2
今月頭の事、アメリカのギタリストから「禅駆動」にノイズが出始めたので修理して欲しいとメールが有りました。しかし、そのメールの内容を精査するとどうも理解出来ない症状でした。というのもレッドモードとブルーモードで正常だが、グリーンモードでノイズが出ると報告でした。回路の構造上、パーツが壊れた場合その逆ならあり得るかもしれないのですが・・・どうもなあ・・・。と思いつつ、当方へ送ってくれるよう連絡しました。



1週間後、当方に届いた禅駆動を見たところ、歴戦の強者の風体となっていました。2008年10月製造の個体ですから、7年半前に作ったものですね。500回以上のコンサートと2枚のアルバム製作で使っているとか。受け取ってすぐにサウンドチェックです。まず電源をACアダプターにして音だしすると・・・。なにも問題なくスムーズに設計通りのサウンドが飛び出しました。ん?なにこれ?ユーザーはたぶんACアダプターを使って使用していると思われますが・・・。しばらく使い続けてみましたが、やはり問題無し。

では中を開けてみましょう!電池は、8年前に私が入れたオリジナルのままでした。電池だけでサウンドチェックするとやはりサウンドにはノイズがかなり乗って来ました。当たり前ですね。8年前という事はかなり電圧が下がっているはずです。テスターで計測すると7.6Vでした。やはり。

次に、電池を新しいものと取替えてテストしてみました。全く問題無し。スムーズにサウンドが出てきます。ううむ・・・一体どんなチェックをユーザーはやったのでしょうか?ひょっとしてユーザーのACアダプターが壊れているのでは?私のテスト結果をメールに書いてユーザーへ送りました。問題ないので電池だけ新しいものに入れ替えて送り返すとね。ユーザーからの返信では「私は電池は使っていない。ACアダプターだけ使っていた。ACアダプターを再検証する」と書いてありました。さて、どうなりますやら。まだその後の返事は来ていませんが。

9V電池その3
私が作るペダルに「燦駆動」というFUZZがあります。滅多にオーダーが無いのですが、年に数個ほどポツリポツリと忘れた頃に作る事になります。ところが、先々月から続けて「燦駆動」のオーダーが入りました。そろそろやろうと思っていたので、回路基板を自作から外注へと変更し、回路の精度を上げてみました。新しい基板でのテスト製作は上手く行き、好評のうちに改訂版「燦駆動」1号機は納品出来ました。

更に先月の事、一気に3台の「燦駆動」のオーダーが有り、これまた御新規基板のおかげでスムーズに製作出来ました。ところが・・・。今月のオーダーで異変が起こり大慌てになっちまい、原因追及に2日間も取られる事になってしまいました。

起こった現象とは・・・。「燦駆動」を完成させサウンドチェックすると、パリパリとノイズ多めのサウンドになっていました。電圧不足や、アースの取り方が不良だと起こるサウンドの傾向です。組み込んだ基板を裏側から見ると問題はなさそうです。しかし、サウンドにはノイズが乗ったまま。困った・・・。

原因が掴めないので、取りあえずもう一台作ってみる事に。半日後に完成させてみると再び、パリパリとノイズ多めのサウンドが飛び出してきました。なんだこれは?何が原因なのだ?そこで念のために、更にもう一台作る事に。つまり3台目を作ったのですよ。その時すでに、1台目はパーツをバラしてケースだけの姿となっていました。

で、3台目を作り終わり、いよいよサウンドチュエックです。ストラトを繋いでチェックすると・・・やはりあのサイズが乗ったパリパルサウンド・・・。ううう・・・ううう・・・。分からない・・・作り方は間違えていない自信が有るのにこのザマはなんだ?

その時、膝に抱えたストラトを見てふと思ったのです。もしかして!このストラトは「Fender E.C.モデル」です。このギターにはブースターが搭載されており、その作動の為に9V電池が使ってあります。私はそのブースターを使う事が無いので、電池の事をすっかり忘れていたのですよ。では何故忘れてしまったのか?私の記憶だと、今年に入ってストラトの電池を交換した記憶が有ったからです。



では、ストラトの電池を外して電圧を測って見ましょう!ううう・・・4.6Vしかない・・・。こりゃあノイズが出ても仕方ない電圧ですなあ!それにしてもなんでこんなに急激に電圧が下がっちまったのでしょう?

慌てて、ストラトの電池を新しいものに取替えました。そして、再度「燦駆動」のサウンドチェックを行いました・・・。うおおお〜〜〜!!!真っ当な「燦駆動」のサウンドが飛び出してきましたよ!なんだよ!なんだよ!「燦駆動」の問題ではなく、チェックに使っていたギター側の電圧不足によるノイズの発生でしたか!あああ・・・。

原因が判明してしまえば、大笑いの内容ですがそれに気付くまで2日間を要してしまいました。ノイズが出たらまず、電圧を疑う・・・基本ですね!で・・・普通のストラトが欲しい・・・。


本日の結論
一家に一台テスターを用意しましょう!

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