六弦的魔力惰

2005年03月25日 本当にやつは続けるのか・・・?


この幻を追い続け29年目。

「又しても停滞期に入ったように感じられる」

2002年冬、11月22日にその悪夢は始まった。押し寄せる「嘘」と「反故」の嵐!あの日、M●rtin D-45をWEBオークションで落札した瞬間から、倉庫 番(くらこ つがい)はオークションの裏で蠢く深い闇に巻き込まれ、苦悩が始まった。以来、納品されることなく、返金されることなく日々は過ぎて行った。自ら招いた災いであると後悔の日々が続いた。やがて状況の裏側が見え始めた時、倉庫 番は戦い抜く意志を持ち始めたのだった・・・。これは、平成不況から脱しようともがく日本経済の逆風の中、果敢に謎に立ち向かっていった男の、足掛け4年目に突入した、今日も続くドラマである!

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜〜〜〜♪


私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!惰性編」

出品者からの少額の振り込みは、だらだらと惰性のごとく続いていた。



2005年3月20日。久々に出品者からメールが届いた。

おはようございます 倉庫様分は 毎日 稼いで 優先的に 最低 5000円 送金させていただきます 多少 時間が かかりそうですが 倉庫様の 件 解決が 私にとりましては ずっと かたに のしかかっていましたので 今度こそ 実行あるのみを 気づいて いますので お手数ですが 口座 確認 つづけて ください 高▲

相変わらずのふざけた文体だった。この出品者からの長いメールで「約束」が書かれているという事実は「約束が守れなくなる」前兆である。今まで長年に渡り繰り返して来た約束反故の事実がそれを裏付けている。さあどう出るのだ?倉庫 番は精神的予防線を張った・・・。

その日の午後、世間は福岡方面の大地震のニュースと、ホリ●モンの買収話しで揺れ動いていたが・・・。

3月22日。日課となった15時に口座を確認した。そして倉庫 番は大笑いをしてしまった!

こうなると笑うしかない倉庫 番だった。出品者は詐欺師である以前に「お笑い系」のようだ。最低5000円とメールで約束した次の振り込みが4000円だとは・・・。脱力感が一気に押し寄せて来る・・・。1円も振込まれない方がまだ話しとしては新しい「国家権力出動の展開話」が生まれそうな気配があるのだが・・・。もっとも1年前にも、最低3万円以上を毎週振込むと出品者が約束して来た事もあったのを思い出した倉庫 番だった・・・。

2005年3月23日15時時点で振り込みを確認した。5000円入金に復活していた。
前日の4000円振込みの意味が、倉庫 番に理解出来なかった。 残り407,800円。

2005年3月24日15時時点で振り込みを確認した。またしても4000円入金だった。出品者のお笑いはまだまだ続きそうだ。
ひとつだけ確かなのは、2005年3月7日以来の振り込みが今も続いている事だけだ・・・。残り403,800円。

2005年3月25日15時時点で振り込みを確認した。またしても5000円入金だった。
残り398,800円。 まだまだ先は長い。

倉庫 番はこれまで通過して来た28か月に対して、ふとある事実に気付いた。もしもこの事件が発生したあの日、2002年11月中旬に「M●rtin D-45」をすんなり手に入れていたとしたら・・・。この件に関して悩む事はなかっただろうが、まったく違う人生が待っていたはずだ。内容証明郵便の何たるかを一生知る事もなく、警察に被害届を出し刑事と話し合う経験を持つこともなかったはずだ。さらに「六弦的魔力戦シリーズ」が生まれる事もなかった。生まれない方が幸せだったのだろうか?反面 「六弦的魔力戦シリーズ」を通じて知り合いになった方々も多い。登録会員も増加し、コミュニケーションの幅が広がった。倉庫 番にとってマイナス要因だけの事件ではなかったはずだ。この事件がなければジャズギターを習う事もなかっただろう・・・。

人は満たされるとそこで立ち止まる。満たされないが故に次を探し求めるのだ。「M●rtin D-45」がすんなり手に入っていたら、たぶん倉庫 番はその時点でアコースティックギターに対し思考が停滞していたはずだ。そうなるとBugsGearと出会う事もなかった。積極的にメーカーと接触しなかったはずだ。「M●rtin D-45」が手に入らなかったからこそ「M●rtin神話」の真実を探究する気持ちが沸き上がったのだ。「本当にM●rtin以外はダメなのか?」弾き比べた事もないのに自分自身が「Martin」のブランド力に惑わされていないのか?そして結果が出始めた・・・。

ブランドが「ブランド力」を持つに至るには、実績が必要だ。商品の実力であり、影響力であり、なによりユーザーからの支持が必須である。だが、支持され過ぎた結果生産量が増大し、生産能力を遥かに越え、OEM製品に頼り急激に評判を落す「ブランド」もある。それに比べBugsGearのようにゼロから出発したばかりのメーカーに対しては、ユーザーとしてもまだ精神的許容範囲がある。製品完成度は100%ではないが、その製品の中に潜むポテンシャルを自分なりに見つけだし、さらにサドルやナットを作り直し、理想とするギターへ自力で近付ける楽しみがある。メーカーへ助言し、より理想へ近いギターを生産してもらう喜びがある。

「六弦的魔力戦シリーズ」が進むに連れ、様々な情報が倉庫 番に飛び込んで来るようになった。出品者の情報も多くあったが、そのなかでもM●rtinを多数所有し、弾き倒して来た方々の冷静な意見がありがたかった。客観的に見つめる彼等の意見は、いつしか「M●rtin D-45」への憧れを倉庫 番の中から徐々に消して行った。出品者の真実を探る旅は、ブランドギターの真実を探る旅にもなっていた・・・。

3月25日15時過ぎ、倉庫 番の携帯電話へ高▲署の刑事から連絡が入った。

「なんども出品者の石■に電話をかけているのですが一度も電話にでてこないですね。
 あちらの電話に表示される電話番号が明らかに警察の番号ですから、たぶんビビッているんでしょう。
 毎日振り込みが続いているのであれば、しばらくこのままにしておきましょう!
 それから申し訳ないのですが、私は本日で高▲署から移動になります。
 来週からは別の署ですので、もし今後動きがでましたら新しい担当者に御相談下さい!」


倉庫 番が提出していた膨大な資料はいったん郵送で返却される手配となった・・・。

28か月に渡り続いて来た「六弦的魔力戦シリーズ」は又しても停滞期に入ったように感じられる。出品者からの振り込みは今後もダラダラと続くように思える。日々続く振り込み金額をカウントし発表し続けていても意味はないとそろそろ倉庫 番は感じていた。「しばらく休むか・・・」その思いが浮かび上がって来た。「六弦的魔力戦シリーズ3」は、数か月後に「六弦的魔力戦シリーズ4」として報告を再開するまでしばし休載しようと倉庫 番(くらこ つがい)はその日決心した。そして、倉庫 番は誰にも知られる事なく、すでに次の新しい試みに着手していた・・・。


*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)



本日の結論
相手が放置プレイを楽しんでいる気配もあるが・・・!読者へもしばし放置プレイだね!

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