六弦的魔力振

2005年03月11日 そして、やつは・・・!


この幻を追い続け29年目。

「ヘンキンブン

2002年冬、11月22日にその悪夢は始まった。押し寄せる「嘘」と「反故」の嵐!あの日、Martin D-45をWEBオークションで落札した瞬間から、倉庫 番(くらこ つがい)はオークションの裏で蠢く深い闇に巻き込まれ、苦悩が始まった。以来、納品されることなく、返金されることなく日々は過ぎて行った。自ら招いた災いであると後悔の日々が続いた。やがて状況の裏側が見え始めた時、倉庫 番は戦い抜く意志を持ち始めたのだった・・・。これは、平成不況から脱しようともがく日本経済の逆風の中、果敢に謎に立ち向かっていった男の、足掛け4年目に突入した、今日も続くドラマである!

(この六弦的魔力戦シリーズを御存じない方々の為に、今回も過去に掲載した全てを曝すことにした!)

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜〜〜〜♪


私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!振込編」

2005年3月4日11時過ぎ、勤務先へ1本の電話が掛かって来た。デスクが電話を受け、なにやら問いただしている。倉庫 番に掛かって来る営業電話は、デスクが撃退してくれるのだが・・・その会話の合間に「岡▲」の地名が倉庫 番の耳に聞こえて来た。

「岡▲の高■という方から、メールをもらったのでと掛かって来てますが?どうします?」

「わかった。私が出ます!」

いつ以来の出品者からの電話なのだろうか?あの内容証明にあった「東京高等裁判所」の文字が効いたのか?倉庫 番はゆっくり受話器を取り上げた・・・。

「倉庫です」


「高▲です。 長くなって どうも すんません! 内容証明 を 受け取ったんで、
 内容は 了解したん ですが 今日 までに どうしても 振り込みが 間に 合いません!
 延滞詫金 の件も 了解しました ので まず 月曜日15時 までに 幾らか を 土日に作って 必ず振り込みます。
 その後は 毎日少しずつ 振り込みます。今月中に 終了させますので よろしく お願いします!」

「あっそう・・・こちらはその内容証明に書いた通り、諸手続きはこのまま進め続けますから!」

「それは 分かって います・・・
 他の方 が どうなろうと 知りませんが 倉庫さんには 必ず毎日返金して 今月中に必ず 返済します!
 まずは 月曜日の3時過ぎ に 口座を確認 してください」

今もまだ電話では「高▲」と名乗る出品者にそれができるわけが無かった。28か月も放置しておいてできるはずがない。すでに、商品代金が倉庫 番の中で「人質」ではなくなっている事実を出品者は知らないのだ・・・。さらに「他の方がどうなろうと」とはまったく理解出来ない発言だった。それでは他の落札者達にはどう対処しようとしているのだろうか?倉庫 番がそんな言いぐさだけで納得すると思ったのだろうか?この一言だけでも出品者は信用出来ない人物であると一般的には判断されるはずなのだが・・・。

いつもの出品者の慌てふためいた電話であると判断した倉庫番は、クールに突き放すように受話器に向かって呟いた。

「完全に返金が終わらない限り、手続きはこのまま続行する!」

2005年3月7日15時が来た。
倉庫 番は、WEBブラウザで銀行口座をチェックしてみた・・・。そこには、確かに約束通り出品者からの振り込みが「ヘンキンブン」として届いていた。金額は¥20,000- だった・・・。呆れる程の少額。この返金スピードでこのまま毎日振込み続けられるのか?あり得ない・・・。取りあえず1回だけ振込んでまたしばらく逃げる気か?この状況に出品者を追い込んでいるのは倉庫 番だけでは無い。複数の落札者達が追い込みに入っているのだ。

今までにも、数年に渡り多くの被害者達が内容証明郵便を送りつけ、警察に被害届を出していたはずだが、出品者がこうして今も自由に動いていられるのは何故だろうか?そこに何かカラクリじみたものは存在しないのか?それとも出品者は警察を舐めていられる根拠を持っているのか?本当に被害届を出した落札者にだけわずかな返金をしておけば、警察が手を出しにくい状況を逆手にとっているのか?

被害者にとって「被害の回復」は重要な問題だ。出品者が「返金する意志がある!」と主張し、振込伝票等の証拠があれば警察は被害が回復される事を優先しがちではないだろうか?だが、被害回復に要する時間はどれほどをもって正常の範囲とするのだろうか?倉庫 番に対しては28か月もの無駄な時間が流れ去っているのだ。

2005年3月8日13時。
倉庫 番が念の為に銀行口座をチェックしてみると・・・。そこには前日に引き続き「ヘンキンブン」が「高▲」名義で振込まれていたのだった!だが・・・その額はわずか5千円・・・。出品者は約束を守り始めているが、そこには誠意のない金額があっただけだった・・・。毎日振込むとの約束を守るための金額か・・・。出品者の評価欄を見ると、同じような金額の振り込みを繰り返し、この日で全額返済された落札者がいた。

やはりそうか・・・。まとまった金額が手に入っても、多数の被害者に対し均等に5千円程度を振込み時間を稼ぐ作戦なのか・・・。これで、相手の考え方がハッキリ見えて来た。被害届を警察に出すと、その落札者は「返金者リスト」に入るのだ。そして、そのリスト内の人々にだけ返金を開始するようだ。戦いはまだまだ長くなりそうな気配を見せていた・・・。

残り45万6千8百円。 出品者が毎日5千円を振込み続けたとしてもまだ3か月かかる計算だ。残り20日程の今月中に何とかできる期待は非常に薄い。ID 「love」はすでに死に体となっているのだが、出品者はどこで毎日数万円の現金をつくり出しているのだろうか?まだまだ、倉庫 番が知らない出品者の裏の動きがあると思われた・・・。

出品者の評価を日々観察していると、返金が済んだと報告している落札者の数がポツポツと増加し始めていた。この意味は、やはりPCジャンクものの販売を続けているという事なのだろうか?出品者のテリトリーをオークション以外に広げる事は難しい。またもや別IDを使って商売を始めたのか?倉庫 番は出品者が使いがちなキーワードで検索してみた・・・。だが、その日はアノ特徴ある文体を持つ出品ページを見つける事が出来なかった。

2005年3月9日13時30分
日課となった口座チェックを倉庫 番は行ってみた。そしてそこには今日もまた「ヘンキンブン」として5千円が振込まれていた・・・。

2005年3月10日14時30分
日課となった口座チェックを倉庫 番は行ってみた。そしてそこには今日もまた「ヘンキンブン」として5千円が振込まれていた・・・。

残り44万6千8百円・・・。


*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)



本日の結論
この調子で何日連続で振り込めるか予想してみよう!

------------------------------

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



GO TO HOME PAGE