六弦的魔力玄

2005年02月23日 別IDも悲惨に!


この幻を追い続け29年目。

「出品者へ送りつけた」

2002年冬、11月22日にその悪夢は始まった。押し寄せる「嘘」と「反故」の嵐!あの日、Martin D-45をWEBオークションで落札した瞬間から、倉庫 番(くらこ つがい)はオークションの裏で蠢く深い闇に巻き込まれ、苦悩が始まった。以来、納品されることなく、返金されることなく日々は過ぎて行った。自ら招いた災いであると後悔の日々が続いた。やがて状況の裏側が見え始めた時、倉庫 番は戦い抜く意志を持ち始めたのだった・・・。これは、平成不況から脱しようともがく日本経済の逆風の中、果敢に謎に立ち向かっていった男の、足掛け4年目に突入した、今も続くドラマの今日である!

(この六弦的魔力戦シリーズを御存じない方々の為に、今回も過去に掲載した全てを曝すことにした!)

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜〜〜〜♪


私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!玄関編」

別ID「love」でオークションを続けていた出品者は、次々に言い訳メールを送りつけて来ていた。その内容は読むに値しない「いつもと同じ引き延ばしの言い訳」に過ぎなかった。倉庫 番はつまらなかった。告発もせず観察を続けているのだ。もっとエンタテイメントしてくれなければつまらない!と感じていた。このところ「六弦的魔力戦シリーズ」を書く気がすっかり失せていた・・・。そして、事件発生以来丸2年が過ぎた。次の手に何を打つべきか?思考が続いた・・・。

やはり言い訳メールが出品者から今も時折送られて来るだけだったが、日々観察し続けていると新ID「love」での売上げは急激に増え始めていた。さらにその仕組みが見えて来たのだった。出品者がメインとして出品している「PCジャンクものパーツ」は1個あたりの落札単価が1000円程度だ。これでどうやって利益を出すのか?どのような仕組みなのか?やがてそれが判明する時が来た。

2004年11月22日出品者からのメール
こんばんは いよいよ 何とか できる 目処が 出来ていますので 最後の 約束 で 年内 決着できます。
いま少し お待ちください 高■
御迷惑を おかけしまして 申し訳ありません


追伸
倉庫様にだけは 事情を 説明します 現在 400台 の PC98 を 仲間が準備してくれまして 一台 1200円で 購入しまして 売って います  パーツで 売れば 高く なります 大体 台あたり 5000円 程度の 利益が 出ますので 年内に 半部は 捌きまして 解決の めどが やっと 出来ています もちろん トラブルを 避けるため 全て 代引き 発送を しますが 一度に 売りますと 値段も 暴落しますので 適時 様子を 見ながら 売り抜けるつもりです 今後は 責任持った 対応で これが 完了しましたら 安心して 別の 仕事も できますが 倉庫様に 一日も 早く 送金 終えまして 気持ちも 楽に なりたい 一心でいます どうか 最後の 締めくくりを 見守って ください 貴殿の ことを 一日たりとも 忘れた ことは ありません LOVE を 見守って いてください これが 解決の 糸口 ですので どうぞ よろしく お願いします。
高■

出品者は「リース物件等のPC回収業者」からPCを1台あたり1200円程度で引き取るのだ。つまり、一般の会社で5〜6年使われた後、買い換えの際に出た古いPCを安価に大量に引き取るのだ。だが、それを転売するだけではたいした利益は出ない。そこでPCを分解し、ハードディスクやメモリ、ケース、キーボード、モニター、OS-CD等をバラバラに販売するのだ。そうすると1個あたり1000円程度で落札される事になる。

落札する方としても、この金額ならジャンクモノでもリスクは少ない。このようにして販売すれば1台分のパーツで利益が4000円〜5000円程出る事になるのだ。中古PC100台分を処分できれば40万円〜50万円の利益が出るはずだった。出品者に言わせれば「これは1か月の処分台数」であるというのだが・・・。

2004年12月15日出品者からのメール
おはようございます 年内には 送金します すみません 高■

足掛け4年目の2005年に突入した。

2005年1月15日出品者からのメール
おはようございます 来週から 優先的に 解決します すみません

いくら出品物の処分が進もうと倉庫 番へ返金される事は無かった。かえって被害者の声が「悪評」となって噴出し始めていたのだ。日々増加する悪評は限界となっていた。その傍らで、もうひとつのID「rockbeat」はいつの間にかアクセス不能になり消えてしまっていた。出品者の作戦通りか?倉庫 番が知る限り出品者が「love」まで使っていたIDは4つある。悪評が溜り客離れが始まると、そのIDを捨て去り次々と新しいIDを取得して来たのだ。「love」が消える日も近いと感じられた・・・。さらに「代引」で取り引きをすると言っていたのに「被害者」が又しても出ているのはなぜだ?

対策を立てる前に出品者の思考を反芻してみた。過去の経緯から言って「内容証明郵便」などは意味が無い。すでに大量に送りつけられているはずだった。警察への被害届はどうか?現時点で出品者と連絡が取れ、一部返金もされている事実からして、警察も動きにくい・・・。そうなると頼りになるのは裁判所だ。集団で告訴するしかないのか?だが、被害者が次々に増えている事実が判明すれば警察もそろそろ動き出さないわけにはいかないだろう・・・。

ID「love」の落札者で登録会員である某氏からメールが届いた。明らかにそれが例の出品者だと知っていて落札したのだった。そのメールには「love」で使っている名前や住所が書かれていた。そこにあった名前は、倉庫 番がやり取りしている「高■」では無かった。「石■」となっていた。偽名か?だが現住所は同じだった。銀行口座名も「石■」となっている。「高■」と同じ人物であるのは明らかだが・・・。

「love」の評価欄を観察していると「強い反撃」に出ている人物を見つけた。被害額は6万円。警察への通報、内容証明の送付等、こと細かに評価欄へ進捗状況を書き込み始めた。日々その書き込みは増加し続けた。その人物は評価欄で「他の被害者」と連絡をとりたがっていた。倉庫 番はメールを送ってみた。すぐに返事が来たが、意外にも出品者の実態をそれほど知っている人物ではなかった・・・。

まずは基礎知識を共有するために倉庫 番は「六弦的魔力戦」の過去のアーカイブを総べて読んでもらう事にした。そして、評価欄を使った戦い方を伝授したのだった。「とにかく良い評価が書き込まれたらすぐに悪評を書き込み、常に一番上に悪評として居続けて下さい!」これは効果絶大だった。
日々増え続けるその人物の悪評に出品者はたえられなくなったのだろう、いきなり返金を始めた。まず3万円、そして2万円、遂に1万円と瞬く間に全額返金されていたのだ!

この出品者の対応の違いはなんだろうか?目の前にある商売を邪魔する「目障りなヤツ」を黙らせるために、あわてて返金したのだと思えた。つまり、罵詈雑言には馴れているが、直接商売の妨害になる行為には堪えられないようだ。この「出品者が堪えられない行為」を持続するためにはどうすれば良いのか?全額返金されると通常は「悪評」から「どちらでもない」に変更するケースが多い。今回のケースでも出品者は「評価の変更」を求めて来たと言う。

だが、その人物は倉庫 番にその先の対応について意見を求めて来たのだった。倉庫 番はこう答えた。「D-45の代金及び、他の被害者の被害金額が全額返済されない限り評価は変えない!と伝えて下さい!」徐々に被害者達が団体化しているのを出品者に感じさせるためだった。これはこれでしばらく放置しておけば良いだろう。出品者から、なんらかのリアクションがあるはずだった。

同時に、倉庫 番のBBSへひとつの書き込みがあった。「六弦的魔力戦ウォッチャー」からの書き込みだった。広島在住のその人物は、所用で2月20日に出品者の自宅近くに行くと言う。「詳しい住所が分れば出品者の自宅を撮影してくる」と書き込んであった。面白い!その写真がどのような意味を持つのかは内容次第だが、試してみる手はある!倉庫 番はすぐにメールで撮影を依頼したのだった。

他の被害者達の動きから察知したのか、出品者は突然メールを倉庫 番に送りつけてきた。

2005年1月17日出品者からのメール
おはようございます 早急に 解決します まもなく 実行できます いつまでも 申し訳ありませんでした

追伸
事情で 一年半 前に 離婚 結婚しまして 現在の 戸籍が 石■ に なっていますが 世間体も ありますので 公表は していません 田村様には お伝えします

やはり言い訳メール。 「私の名前さえ間違っている・・・」倉庫 番は呟いた「そろそろ遊んでやるのも限界か・・・?」ではどうやって動き出す?倉庫 番はそのメールに対し反撃に出た。期限を切った。2005年2月25日15時を期限とし、銀行口座を知らせた。それ以降は待たないと・・・。それに対し、出品者からメールが届いた。

2005年2月19日

「こんにちは 口座 ありがとうございます 小額でも 続々 送金できます 早速 振込み カード 作ります 本当は 今度の メールで 口座を お願いしたく 思っていましたが ほんとに ありがとうございます 全額 一度には 困難ですが あの 評価の 一団は 実は 第三者の 依頼 出品で 落札金額 の 損失で 内部で もめている件です そのほかは 利益は 出ていますので 順調ですが まだ パソコン の 留め置きが 数千台 ありますが もちろん それは こちらも 仕入れながら やり抜いています 代引きで 発送 心がけていますので 何とか できると思います 今後 解決できるように 肝に 命じています つぶれると だめですので ご協力お願いします 先般は 発信後 漢字 変換で お名前を 間違えたまま 送信してしまい 毎日 悩んで いましたが すっきりしました お詫びします」

「あんたがすっきりしてどうするんだ!」と突っ込みを入れつつ、やがて倉庫番は出品者のメールに書かれている文章の行間から、出品者の新しい「思考回路」を読み取った。この文章が意味するものは「俺が潰れたら返金出来なくなるのだから、おとなしく待ってろ!」というわけか・・・。「金を人質」にして逮捕されないように落札者を誘導しているのだ。この期に及んでまだ、このようにのんびりしたタワゴトを繰り返しているのか・・・もうおしまいだな・・・。

2月20日夜。その画像はメール添付で倉庫 番に届けられた。 表札は出ていなかったが、玄関わきのジャンクPCの量からして出品者の家はたぶんここだろうと判断し、撮影して来たのだと添えられていた。この管理状況から推察しても、とてもまともだとは思えない。仕入れたジャンクの中でも特にパーツとしても使えない程度のひどいものはこうやって野積みにされていくのか・・・。

さらに別の被害者と連絡が取れた。20日にようやく全額返金されたという。倉庫 番の金額は大きいため、出品者もすぐには対応出来ないようだ。それにしても、出品者がそれぞれの被害者に対し返金した金額を合計すれば、とっくに倉庫 番の金額には達しているはずだ。「そろそろ爆発してみようか・・・」倉庫 番は「2月25日15時がタイムリミット」だとメールを書き始めた。




倉庫 番(くらこ つがい)は、この画像をメールに添付し出品者へ送りつけた・・・。「この画像の意味は分るよね?」と・・・。
そして2月22日夜、倉庫 番は岡山警察サイバーパトロールへ通報した・・・。


*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)



本日の結論
出品者がますます笑える存在になって行く・・・。

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