六弦的魔力追

2004年11月25日 さらに別IDの動きを観察し続けたところ!


この幻を追い続け29年目。

「出品者に突き刺さる」

2002年冬、11月22日に悪夢は始まった。押し寄せる「嘘」と「反故」の嵐!あの日、Martin D-45をWEBオークションで落札した瞬間から、倉庫 番(くらこ つがい)はオークションの裏で蠢く深い闇に巻き込まれ、苦悩が始まった。納品されることなく、返金されることなく日々は過ぎて行った。自ら招いた災いであると後悔の日々が続いた。やがて状況の裏側が見え始めた時、倉庫 番は戦い抜く意志を持ち始めたのだった・・・。これは、平成不況から脱しようともがく日本経済の逆風の中、果敢に謎に立ち向かっていった男の、足掛け3年を経過し、今も続くドラマの今日である!


♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜〜〜〜♪


私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!追尾編」

別IDで動き出した出品者は、徐々にその本性を現わしはじめていた。IDの評価欄に急激に「悪い評価」が書き込まれはじめた。予測した通り、高額ギターの落札者はことごとく「商品が届かない!」や「返金の約束を果たさない!」そして「嘘のメールばかりが届く!」と一様に倉庫 番(くらこつがい)が経験してきた同じ状況を叫んでいた。

今回はギターだけでは無かった。様々な商品が届けられていなかった。もちろん返金もされていなかった。が・・・やがて安い価格のものや、声高に「悪い評価」を日々書き込み続ける落札者に対しては「返金」が少しずつ始まっていた。何が出品者をそうさせるのか?裏側でどのような操作が行われているのか?やがてそれが見える日がやって来た!倉庫 番が予測していた通りの動きを出品者は行っていた・・・。

別IDが同じあの出品者だと気付いた時、今回の落札者達と情報を交換するために、倉庫 番は落札者が出している出品物の質問欄に、出品者に関する質問文を書き込んでみた。これによって、逃げ回っているあの出品者と、このIDの出品者は同一人物であるかが判明する可能性がある。倉庫 番は、出品手口と文体、取り扱い商品の品揃えから同一人物であると確信していた・・・。

落札者2名にアクセスしたが、被害者達からは返事が来なかった。1人は「プライバシーに拘わることなので」と拒否して来た。当たり前の反応かも知れない・・・。もう1人からはまったく反応が無かった。

倉庫 番はショップの店長に再び連絡をとった。

倉庫 「どうも!倉庫です!
    再び、アイツが怪しい動きを始めていまして、被害者が増えそうですね。
    そちらのショップで ●●● や ■■■ を最近扱われませんでしたか?
    どうも、またしても空売りをやっている気配があるんです!」


店長 「え〜?またやってるんですか〜?
     ●●● や ■■■ は扱ってませんね。他の店も最近扱っていませんよ」

倉庫 「そうか・・・別の店を見つけたんですねえ・・・!
    今度店にきたら気を付けて下さい!何やるかわかりませんよ!」

店長 「もう大丈夫です!貸し売りや取り置きは一切あいつには断っていますから。
    もちろん写真撮影もやらせませんから 」

倉庫 「よろしければ、店長のメールアドレスを教えてもらえませんか?
    もっとこまめに連絡を取りたい物ですから! 」

店長 「了解しました!それではアドレスをお教えします! 」

こうして、店長と倉庫 番のホットラインは繋がった。店長への最初のメールで倉庫番は「六弦的魔力戦」の存在を知らせ、今までの2年間に何が起こっていたのかを知ってもらうことにした。その中には店長が悪者扱いされている部分もある。これで、店長の感情はさらに出品者に向かって悪化していくことが予想された。倉庫 番は店長が完全に倉庫番側に立っていることを感じた・・・。

出品者の前回のメールから20日後、2004年11月10日に出品者からメールが届いた。

「おはようございます 連絡遅れまして 申し訳ありません
 返金の 件ですが 早ければ 今月中 に 何とか 出来そうですが
 遅くとも 年内には 解決できるよう 推移しています 
 真に 申し訳ありませんが どうぞ よろしく お願いします
 ほんとに 申し訳ありません」


さらに、その5分後に届いたメール。

「今度は 間違いなく 解決できますので よろしく お願いします」

出品者の焦りを感じさせる送信具合だが・・・。今まで2年間に届けられたメールと何一つ変わってはいない。「間違い無く」や「今度こそ」さらには「絶対に」は実行されないという意味に理解すべきだった。ただ淡々と倉庫 番は反撃の手順を思考し続けていた・・・。オークションは「悪い評価」が重なってくると、入札者は警戒し入札が激減する。同時にキャンセルも発生する。出品者の別ID=r●ckbeat
はすでにその動きを見せ始めていた。度重なる攻撃的な「悪い評価」に入札者達は一斉に手を退き始めたのだ。これでは、何一つ解決しない。それはなぜか?

出品者は「嘘の高額出品物」をオークションに出し、それで受け取った現金を「ジャンクもの」仕入れに転用する。「嘘の高額出品物」は納品されることなく、放置される。やがて「ジャンクもの」を仕入れた出品者は「ジャンクもの」を分解しパーツに分け、メンテナンスを施し販売できるようにする。そうすると、仕入れた「ジャンクもの」は仕入れ価格の数倍で売れるようになる。

このやり方では、1商品あたりの売り上げは少ないのだが、大量に販売して行くと徐々にその差額が利益としてまとまっていく。5000円程度の単位で返金を出品者が続けるのは、まとまった金額になかなかならないので、詐欺罪として成立させないための苦肉の策であると言える。落札者によっては、その少額の返金が積み重なり、やがて全額返金完了へとどいた者も出始めた。倉庫 番の読み通りの展開であった。つまり、ここで出品者をツブしてしまうことは、被害者達への返金の可能性を潰すことになりかねないのだ。

だが・・・「悪い評価」の効果は大きかった。ついに出品者のID=r●ckbeat が動かなくなったのだ。大量の出品にも拘わらず、まったく入札が途絶えた。常識的に考えれば、当たり前の現象といえる。そして、事態は2日後に急転した。突然
ID=r●ckbeat の出品物が全部消えたのだ!新しく出品される商品は何も無かった。このままででは、返金及び納品は留まることになる。さあ!どう動くのだ出品者は?またしても沈黙を保ち続け、やがて前回と同じようにIDを捨てて逃げるのか?

倉庫 番(くらこつがい)はその先を予測した。出品者は全員に返金する意志はあるようだ。だが!仕入れた大量のジャンク商品を売り抜けない限り、全員への返金は完了出来ない。すでに幾人かが警察へ被害届を出している気配もあった。返金がこのまま停止すれば告訴される可能性は大きい。しかし・・・オークション以外で売ることは難しいジャンク商品だ。そうなると、さらに新IDを取得して、一気に売り抜く可能性が大きい!いや、それしかあいつに残された策は無いはずだった。

ID=r●ckbeat の出品が止まった日から2日後、倉庫 番は膨大な数のオークション出品者の中から早くも「こいつは怪しい」と新しいID=l●veに
目星を付けた。やはり思った通りの行動を開始していたようだ。文体、商品から同一人物だとほぼ確信していた。さらに、デジタルカメラで撮影して掲載している画像のトーンが ID=r●ckbeat とID=l●ve はまったく同じに見えた。

倉庫 番はさらに数日間観察を続けた。そして!アイツの正体がバレる時は早くもやって来た。ID=r●ckbeat で当初に「良い評価」を稼ぐためにオークションで落札していた安いジャンク商品が、ID=l●veで売りに出され落札されたのだ!倉庫 番が観察する限りまったく同じ物だった。さすがにそこまで細かく観察し続けている者がいるとは思っていないのだろう。これは出品者にとって、致命的な証拠提示であった。

倉庫 番は短く、かつ効果的なメールを送ることにした。この一文は出品者に突き刺さるはずだ!

「r●ckbeat の次は l●ve」

そして、11月19日夜に出品者からメールが返って来た。

「こんばんは いよいよ 何とか できる 目処が 出来ていますので
 最後の 約束 で 年内 決着できます。 いま少し お待ちください
 御迷惑を おかけしまして 申し訳ありません」


今月中解決との約束はどうなったのだ?勝手に年内に決定されていた・・・。さらにその30分後、出品者から長文の追伸メールが届いた。そして・・・そこには倉庫 番が知りたかった事実が書き連ねてあった!それを事実として受け止めるべきか・・・!だがその文面には、明らかに倉庫 番(くらこつがい)の放ったメールの刃が出品者に突き刺さった手ごたが記されていた!果たしてそのその手応えの実態とは!次回へ続く・・・。


*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)



本日の結論
読み通りの動きをする出品者に、思わず笑いがもれる昨今・・・。

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