六弦的魔力引

2004年06月21日 電話は真実なのか?


この幻を追い続け28年目。

「代引で送ってもらいます」

2002年冬、11月22日に悪夢は始まった。押し寄せる「嘘」と「反故」の嵐!あの日、Martin D-45をWEBオークションで落札した瞬間から、倉庫 番(くらこ つがい)はオークションの裏で蠢く深い闇に巻き込まれ、苦悩が始まった。自ら招いた災いであると後悔の日々が続いた。やがて状況の裏側が見え始めた時、倉庫 番は戦い抜く意志を持ち始めたのだった・・・。これは、平成不況から脱しようともがく日本経済の逆風の中、果 敢に謎に立ち向かっていった男の、足掛け3年を経過し、今も続くドラマの今日である!

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜〜〜〜♪


私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!値引編」

6月16日に出品者から届いていたメールの中に「店長に値引き依頼している」とあった。倉庫 番が推察するに今までの状況を考えると、店長がそう簡単に応じるとは思えなかった・・・。確認の為、6月18日朝、ショップ店長に確認の電話を掛けた。

「どうも倉庫です!
 あいつからメールが来て、大幅な値引きを頼んでいると書いてあったんですが・・・。
 私が直接引き取るとしたら、店長は幾らにされるんでしょうか?」

「私も倉庫さんに直接引き取っていただいた方が良いと考えていたんですよ。
 値段は、本体42万円に消費税を入れて44.1万円ですが!」


「えっ?ちょっと待ってよ!送料、保険料まで入れると45万円近いですよね?
 私が払った金額より高いじゃ無いですか 」

「●●さんにいくら払われたんですか?」

「43.8万円です」

「そうですか・・・」

「●●は詫金として10%の返金を約束してますので、
 その分を引いたら40万円以下にならないと直接引き取る意味が無いですよね。
 んと・・・わかりました!もういちど●●と確認とって、また連絡しますよ!」

倉庫 番はこれからどう動くべきかを考えていた。45万円であれば直接引き取る意味は無い。出品者に引き取らせるしかなくなる。だが、すでに店長は出品者にD-45を引き取らせる気が無くなっているはずだ。そうなると、出品者に値切り交渉をやらせて、引き取りは倉庫 番が直接行なうしかないのだろうか?

しかし!それでも店長が値引きに応じなかった場合どうするのか?そこはクールに割り切るべきだと倉庫 番は考えた。税込みで40万円以下にならなければ、引き取りを拒否すると想定しシミュレーションしてみた。この条件では、まず出品者がかなりの交渉努力をしなければならない。だが、店長がこの期に及んで対応するとは思えない。店長の前で切羽詰まり苦悩する出品者の姿が予想できる・・・。面 白い・・・。これは面白い!天誅続行!


この作戦はもう少し様子を観てから動き始めることにした。出品者から返金の「現金書留」がまだ一度も届いていない時点で、何を実行しても意味がないからだ。まずは、その確認が先なのだ。それまでは倉庫 番が出品者に連絡をすることは決してない。

2004年6月18日夕方、勤務中の倉庫 番に妻からメールが届いた。

「おまちかねの電信為替が届いたよ!」

帰宅後内容を確認して・・・金額に驚いた。1回目の返金はたったの3万円だったのだ!この金額が意味するものは何だろうか?残りはまだ40万円以上あるのだ!再び、長い戦いが始まる予感がある。ここで、いままでなら倉庫 番は素早く「ふざけたまねをするな!」とメールを送ったのだろうが、新しい作戦ではその反撃を止めた・・・。


出品者は1回目の返金額が少ないことを気にしているはずだ。こちらから連絡をせず、不安感を掻き立てることが作戦としては正しいだろう。出品者は現時点で倉庫 番がどのように考え、どのように動いているのかを知りたがっているはずだ。とにかく当面 無視し続けることが最良の手だと考えられた。当然ながら、倉庫 番は電信為替を受け取ったとの確認メールも出品者には送らなかった。出品者はどう考えどう動くのか?楽しみだ・・・。


2004年6月19日午前11時頃。倉庫 番は自宅でレンタルDVD「フレディー&ジェイスン」を妻に付き合って観ていた。つまらない映画だった。と・・その時、電話が鳴った。倉庫 番がでてみると、受話器から聞き慣れた関西弁が飛び出して来た。出品者だった。病気で体調が最悪だと連絡して来たわりには笑える程の元気な声だった。

「すんません!●●です!書留はこれから10日ぐらいかけて毎日おくりますぅ〜 !
 間違いなく全額送りますんで、すんませんが待ってて下さい。
 それから店長と相談しまして、D-45は税込み総額で39万円で話がつきました。
 本当は42万円なんですが、残りの3万円分はこちらで直接払いますんで、
 10日後には倉庫さん宛に39万円の代引で送ってもらいます。
 エアパッキンと段ボールをショップに持ち込んで、梱包して直接発送してもらいますぅ〜」


一方的に説明すると、出品者は電話を切った。いつも通りだ。滑らかすぎる説明が怪しさを醸し出していた。だが・・・出品者は勘違いをしていた。代引で送ると出品者は言っていたが、倉庫番は「現金がすべて返って来た時点でD-45を引き取る」とは一言も発していないのだ。代引で発送するのは勝手だが、倉庫 番が受け取りを拒否したら店長はどうするのだろうか?

出品者から今まで電話で伝えられた情報で、この19か月に正しかったものはたった一つだけだった。15か月前に伝えられた「 D-45はショップに取り置きしてある」だけだ。今回の電話の内容はどこまで信用できるのか・・・?小額だが、とにかく返金は始まったのだ!決して信用するべき相手ではないことだけは肝に命じておくべきだが、倉庫 番はしばし観察を続けるべきだと判断した・・・。










*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)



本日の結論
1回目の3万円にはあきれたね!で、2回目はいくらなんだ?

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