六弦的魔力為

2004年06月18日 店長は対応するのか?


この幻を追い続け28年目。

「書留が届けられているはずだった」

2002年冬、11月22日に悪夢は始まった。押し寄せる「嘘」と「反故」の嵐!あの日、Martin D-45をWEBオークションで落札した瞬間から、倉庫 番(くらこ つがい)はオークションの裏で蠢く深い闇に巻き込まれ、苦悩が始まった。自ら招いた災いであると後悔の日々が続いた。やがて状況の裏側が見え始めた時、倉庫 番は戦い抜く意志を持ち始めたのだった・・・。これは、平成不況から脱しようともがく日本経済の逆風の中、果 敢に謎に立ち向かっていった男の、足掛け3年を経過し、今も続くドラマの今日である!

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜〜〜〜♪


私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!為替編」

2004年6月11日に出品者から届いたメールには殊勝なことが書いてあったが、それが意味するものは「何もない」ことを倉庫 番は足掛け3年に渡る出品者とのやり取りで充分に知っていた。この出品者は饒舌になればなる程「嘘」の確率が高まるのだ。

「こんばんは 先ほど 店長と 話しまして
 来週中に とりあえず 倉庫様よりの 送金額を 倉庫様まで 送金させていただきます
 店長も 其の方が 今後の 為に いいとの ことでしたので
 火曜日より 金曜日までに 全額 揃うように します。
 体調が 最悪ですので 何とか この件を 解決して 養生 したく 思います
 長々と 御迷惑を おかけしましたことを 心より お詫びします ●● 」


このメールが言っていることを信じるとすれば「6月18日までに全額返金する」と云うことになる。気になるのは「火曜日より金曜日までに」の一文だった。何故複数日に分けて全額揃えると書かなければならなかったのか?そもそも今までの連絡ではすでに「全額揃っている」ことになっていたはずだ。それを再度「全額揃える」と書いているのだ。倉庫 番の不信感を掻き立てないように思わず書いてしまったのだろうか?ここに出品者の無意識の心の動きが感じられる。

「金曜日に全額揃います」とだけ書けば良かったはずだが、それをしなかったのはなんらかの理由がある。信用できない情報だ。又しても時間稼ぎが始まったのか?しばし放置してみるか・・・。この段階で出品者は、倉庫 番が直接ショップからD-45を引き取ると読んでいるはずだ。出品者の読み通りに倉庫 番が動いていいのか?ここで出品者に致命的打撃を与えるには・・・。

まず全額返金を実現させる。その後にショップと話し合いを行い、倉庫 番がD-45を引き取らないと宣言したら・・・。ショップと出品者の関係は最悪になる。店長は他の客に売れば、なんとか収拾がつくので被害は少ない。逆にそうすることで、悪質な客を追い出すことができるのだ!
出品者はこれで二度とショップに顔を出すことが出来なくなる。出品者にとっては気軽に使えた「金策術」が使えなくなるのだ。出品者にとって法的な天誅より辛い結果になるかも知れない・・・。

倉庫 番は1か月前から考えていたことがあった。全ての出来事は発想を変えることで違う結末を生むのではないだろうか?まず、この事件に対する倉庫 番自身の精神的な壁になっていた部分を外してしまえばもっと自由になれるのでは?その壁とは「振り込み金額」のことだった。これに固執する限り行動が制限される。それを捨ててしまえばもっと発想は自由になる。「もう戻らない金として、取りあえず忘れる」ことにしてみるとどうなるのか?

その結果、精神状態が楽になり「D-45を出品者には引き取らせない作戦」が生まれた。これによってショップ側も完全に出品者の出入りを排除することができるようになった。ますます天誅に加速がつく。出品者が泣き崩れるまで攻め続けるのだ。いや!泣き崩れても攻撃し続けるのだ!出品者の恐怖心を煽るため、店長にも出品者にも何一つ連絡を入れない数日間が経過した。

2004年6月16日08:01発信で、出品者からメールが届いた。

「おはようございます 本日 一部 書留で送金します 随時 送金しますので
 また店長さんには いずれにしても 値引き できるとの 話を していますので よろしく お願いします●●」

2004年6月16日08:45発信で、出品者からの追加メールが届いた。

「たびたび すみません
 明日の 夕方 配達されますが 今回の 件 確実に 完了するため 申し訳ありませんが
 本日より 2週間 時間 いただきたく 思います その間 金額 まちまちですが
 複数回に わけて 送金します 2週間後には 送金 いただいた 全額 に なるようにします
 為替ですので 夕方 7’00頃 配達されます また 店長様には 伝えていますが
 それよりも もちろん 大分 安く なるように 重々 依頼してありますので よろしく お願いします
 こちらからは 振込み いただいた 全額  合計で なるように 送金します
 配慮いただき 感謝します 最後の 詰めとして 完遂させていただく 気持ちで あふれて いますので
 今までとは 違いますので ご心配なく お願いします。●●」

又しても出品者は期限延長を始めた!「信じろ」と云ったそばから反故が始まる。面 白い!こうでなくてはこの出品者らしくない!倉庫 番はほくそ笑んだ・・・。出品者は大いなる勘違いをしている。全額完済すればそれで完了し、この事件が終了すると思っているようだ。そんな出品者の都合だけで勝手に終結されても、倉庫 番が納得するわけがなかった。徹底的に追い詰め、
天誅を加え続けるのだ!

倉庫 番は次の手を考えていた。店長との値引き交渉を出品者にやらせるとしたらどうだろうか?金額を決め「それ以下でない場合引き取らない!」と伝えたとしたら出品者はどのような行動に出るのか?金額の基準は?計算をはじめてみた。

まず基本となる金額は438,000円。出品者は落札8か月目に「詫び金として10%返金」を申し出てきた経緯がある。この時点で10%引きの394,200円となっている。だが、その後さらに1年が経過している。ここでさらに追加返金10%と考えるのが妥当だ。そうなると350,
400円 となる。キリが良いところで35万円としてみよう。

ショップ店長は以前「D-45の販売価格は42万円です」と教えてくれた事実がある。42万円-35万円=7万円。長年待たされっている上に、いまさらこれだけの値引きを店長が認めるとは思えない。店長が応じない場合には、出品者に支払わせるべきだ。たとえ全額完済したとしても延々と20%分の支払い要求を続けるのはどうだろうか?面 白くなってきた!その日、倉庫 番はまだまだこの事件を楽しもうと決意を新たにしたのだった!

2004年6月17日19時過ぎ、倉庫 番は自宅に電話を入れた。
出品者の連絡してきた通りならその時点で第1回目の書留が届けられているはずだった。

「書留が7時頃に届いたはずなんだけど・・・どうかな?


「えっ?届いて無いわよ!」

やがて倉庫 番が帰宅した時にはすでに20時を過ぎていた。が、やはり書留が着いていないことにかわりはなかった。またしてもやってくれたか・・・ここまで来ても、あれ程の言葉で前日に約束したはずなのに、まだ出品者は呆れる程の反故を繰り返すのだ!やはり精神上の問題がある人物なのだろう・・・。

さて、どうしてやろうか・・・倉庫 番は次の作戦を練り始めた。相手を恫喝するような人物は恫喝されることには弱いものだ。特に国家権力には弱いと考えるべきだ。だから「嘘」をつき続け逃れようとするのだ。もっと出品者が恐怖を感じる文章を考え出し送りつけるべきか?

帰宅してすぐにPCを立ち上げ、いつものごとく倉庫 番はメールをチェックした。すると・・・そこにはこちらの心の動きを見すかすかのように出品者がメールを送りつけていた!

「こんばんは 一部 為替で 送金できましたので 現金で配達されます
 18日 夕方 配達予定です 次は 月曜日に 現金為替で 送金させていただきます。
  取り急ぎ 連絡まで ●● 」

今度は明日18日夕方に届くことになっていた。昨日送金したのではなかったのか?ジリジリとまた引き延ばしが始まった・・・。明日になればさらに翌日へと延びるのか?このメールの中で気になるのは「郵便為替」と「現金書留」との表記が揺れていることだ。なぜ、返金パターンを変えなければならないのか?もっと気になるのは、銀行振り込みでは無くあえて郵便にしていることだ。銀行振り込みなら倉庫 番はWEBバンキングですぐに入金を確認できるのだが・・・。出品者は銀行口座の開設さえも拒否されているのか?

梅雨の季節なのに、やけに涼しく気持ちよい夜だった。
だがその日・・・ ジワジワと大型台風が日本列島に向かって来ていた・・・。










*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)



本日の結論
本当の戦いは、いよいよこれから始まる・・・。

------------------------------

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



GO TO HOME PAGE