「聞こえてくるのではないのか」 2002年冬、11月22日に悪夢は始まった。押し寄せる「嘘」と「反故」の嵐!巻き込まれた倉庫 番の苦悩。自ら招いた災いであると後悔の日々が続いた。やがて状況の裏側が見え始めた時、倉庫 番は戦い抜く意志を持ち始めたのだった・・・。これは、平成不況に喘ぐ日本経済の逆風の中、果 敢に謎に立ち向かっていった男の、足掛け3年を経過し、今も続くドラマの今日である!
♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜〜〜〜♪
私家版
プロジェクト HEX(ヘックス) 「D-45を追え!携帯編」2004年3月18日に「3月23日までに納品する」と出品者はメールで伝えてきた。今までの不手際を詫びているメールだった。3月23日に配達するためには、21日までにショップからD-45を引き取り、発送しなければ間に合わない。22日の時点でショップにまだ置いてあるとすればそれは納品期限が守れないことを意味する。
メールの内容に新しい事実は無かった。なぜ、携帯電話の機種交換まで待たなくてはならないのだ?相手の携帯電話の交換にまでつきあってはいられない。全ての件で好転とは何を意味するのだろうか? 何一つ好転しているとは思えない状況のはずだと倉庫 番は思った・・・。だが、ひとつ気になることがあった。
倉庫番はメールに書かれていた納品期限に対し、ほとんど期待はしていなかった。しかし、23日まで待たなくても現実を知る術はある。確認だけは行ってみることにした。3月22日閉店直前のショップに電話をかけ、店長を呼び出した。
「どうも倉庫です」
「あ、どうも」
「まだD-45はそちらに置いてありますか?」
「ええ、置いてありますよ」
「そうですか・・・明日納品すると言っていたんですがねえ」
「ここにあるんですからそれは無理ですね・・・
●●さんは最近頻繁に来られていますよ。
いろいろ話しているんですが、今月中には大丈夫だと思いますよ 」
「そうですか・・・それじゃあまた」
出品者は現金を造るために様々な商品を持ち込んでショップに買い取ってもらっているのだろう。その頻度が高くなってきたと言うことか。だが、なぜ店長の証言と倉庫 番に伝えられた内容のスケジュールが食い違わなければならないのか?「どす黒く信じあうねじれた世界」がここに露呈してきた。倉庫 番は出品者が言葉通 りに納品しないと信じている。出品者は倉庫 番が警察に駆け込まないと信じ時間稼ぎをし続けている。互いに「負の信頼」を持ちはじめているかのようだった・・・。
店長に決算の日がいつかを問いただしたところで意味は無い。一部9月末決算の会社もあるが、日本のほとんどの企業が3月31日を年度末決算日としている事実がある。日本の社会構造上そうならざるを得ない。3月20日が決算だと主張した出品者の発言がそもそも変だと倉庫 番はメールを受け取った時から感じていた。決算日を基準にするなら3月末が納品ターゲットになる。その推理の方が自然だった。
その後頻繁に店長と顔を会わせているのに、出品者は二人の写真を撮影していない。この事実が物語るのは、明らかに撮影の拒否だ。出品者としては当然の反応だった。だが、倉庫 番は本当にそんな画像が欲しいわけでは無かった。出品者へのプレッシャーとして要求しただけだった。そして、その反応を面 白がっていた。
出品者はこのような対応でいつまで粘れるのか?そろそろ最後の瞬間が近付いているようだと倉庫 番は感じていた・・・。再び倉庫 番はプレッシャーを与える為のメールを送信した。
2004年3月25日早朝、出品者からメールが届いた。
「おはようございます
昨日 行きましたが 店長不在で 休みでしたが
明日までには 引き取れますので
少し 遅れましたが 申し訳ありません 至急 発送します」
このメールが表現している内容はなんだろうか?「昨日」は水曜日だった。水曜日は店長が不在であると、以前にも出品者から連絡があった「公休日」だったはずだ。その事実を出品者は知っていたはずだ。だとすれば「昨日 行きましたが」はありえない。さらに「明日までに引き取れます」というのも変だ・・・。昨日行ったのであれば、次はなぜ明日なのか?今日はどうなっているのだろうか?矛盾だらけのメールだった。そして、この16か月に出品者から届いた多くのメールと、なんら変わりない内容だった・・・。何通かの催促メールを送ったが、返事が無かった。無視されているのか?それとも新たなる言い訳が見つからないのか?
そして約束が守られることもなく、やがて17か月目に突入し、無意味な3月が終わった。
2004年4月1日。東京の桜はすでに散りはじめていた。さて、次はどう行動するべきか? 告訴も視野に入れた作戦に出るべきか?倉庫 番は思考していた。だが、このところ続いていた年度末の様々な案件に忙殺され、さらに風邪による思考低下が倉庫 番の分析力を阻止していた。メールの返事が来ないのであれば、電話で問いただすしかない。いつもの携帯電話の番号にかけてみた。
「 プップップ・・・この電話は現在使用されていません・・・」
なに・・・?使われていないだと?いったいどうなっているのだ?倉庫 番は焦った。連絡が取れなくなって1週間。何か出品者に変化が起こったのか?取りあえず「携帯電話がつながらない!」とのメールを送りつけておいた。このメールに対しなんらかの返事が来なければ、店長に確認後、倉庫 番は新たなる展開に持ち込むつもりでいた。
2004年4月2日朝。出品者からメールが届いた。
「おはようございます
携帯は電池が 不良で 機種交換まで お待ちください
全ての 件で 好転していますので 色々 いい訳じみたことを ばかり
お伝えして 申し訳ありませんでした、 3日 以内に 引き取りまして 必ず 送れます」
携帯電話の電池が不良になった場合のアナウンスは「電源が入っていないか、現在電波の届かないところに・・・」と聞こえてくるのではないのか・・・?
4月2日から3日以内であれば最長で3月4日までに引き取ることになる。翌日梱包発送したとしたら、遅くとも4月7日までに配送されることになる。出品者は、入手し発送すれば当然の行動として6日までに「発送しました」と発送伝票ナンバーを知らせてくるはずだ。だが・・・7日朝までにその連絡は来なかった・・・。
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*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)
本日の結論
ここまでやるとはなあ・・・全く疲れるよ!------------------------------
「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。
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