六弦的魔力相

2004年03月19日 再び最後を口にする!


この幻を追い続け28年目。

「迷惑料を巡る新たな戦い」

2002年冬、11月22日に悪夢は始まった。押し寄せる「嘘」と「反故」の嵐!巻き込まれた倉庫 番(くらこつがい)の苦悩。自ら招いた災いであると後悔の日々が続いた。やがて状況の裏側が見え始めた時、倉庫 番は戦い抜く意志を持ち始めたのだった・・・。これは、平成不況からやや息を吹き返そうと喘ぐ日本経済の逆風の中、果 敢にWEBオークションの謎に立ち向かっていった男の今日の姿である!

2004年3月4日に届けられた、D-45の13枚の画像がもたらした新たなる推理の世界に、他の解釈は無かったのだろうか?倉庫 番は再び思考をくり返していた。推理することだけでは何も生まないが、推理する世界に身をゆだねることで一時でも精神的に逃避したかった・・・。




♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜(今回はアフリカン・バージョン!←クリックすると音楽が!)〜〜〜♪


私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!相談編」

13枚の画像は、3月3日に撮影されていた。そして、倉庫 番が最も希望していた「出品者と店長」の画像が含まれていなかった。その直前にもらったメールだと、3月3日は店長の「公休日」であると出品者は書いていた。そのため撮影が出来ないと書いていた。しかし・・・撮影できないはずなのに3月3日に何故か撮影を行った出品者・・・。

この矛盾をどう考えるべきか?3月3日に店長が居ないことをこれ幸いと、撮影に行った可能性は無いのか?いや!むしろその方が全体像として自然だった。事前に店長が居ないことを倉庫 番に告げておき、わざとその日を狙って撮影に行く、そうすれば自分と店長の画像を撮影しない言い訳ができる。

もし店長がその日いた場合は、これ程丹念に撮影ができただろうか?撮影依頼そのものを店長が拒否する可能性は無かっただろうか?対応した店員は「このD-45は俺が取り置きしているのだから、撮影して当然だ!」との出品者のゴリ押しに負けて撮影を許可した可能性はないだろうか?

倉庫 番はさらに思考を深めていった。何故、店長と出品者の写真が無いのか?翌日にでも撮影すれば良いだけだ。それをあえていつまでもしないのは何故か?理由は簡単だ。出品者は倉庫 番に顔を曝したく無いだけだ。理由は分かっていたが、あえてその疑問をメールで出品者に送った。どのように反応するのか?

3月11日朝、メールが届いた。

「おはようございます 当日 店長 公休でしたので 申し訳ありません
 今月 20日が 決算ですので それまでには 完了します」

  
倉庫 番が知りたい情報がわざと避けられていた。何故、公休日を狙って撮影したのか?が疑問だったはずだ。このメールで、店長と一緒の写真を撮影する気が無いことが判明した。さらに、ショップの決算日がいつの間にか3月20日にずれていた。倉庫 番は又してもしばらく放置してみることにした。ここまでくると、暗黙の精神戦だった。黙ることで威圧するしか無かった・・・。

3月18日朝、1週間ぶりに出品者からのメール。

「最終の 報告です。
 今週中に 受取りまして 週明けの 火曜日までに
 配達 到着するように させていただきます。
 不手際の 連続で 真に 申し訳ありませんでした。
 迷惑料 その他は その後 相談させていただきます」


迷惑料については以前から口走っていたので理解できる。だが「その他」とは何を意味するのだろうか?不思議な感覚で倉庫 番はメールを読んでいた。いままでのメールと同じ「火曜日までに」の文字がある。「週末に手に入れて火曜日までに」のフレーズは何度もなんども読んだ記憶があった。そして・・・文末の「相談」の文字が倉庫 番の笑いを誘っていた。

再び、出品者は「嘘」を続行するのか?それとも終止符を打つ決心をしたのか?このメールからは真実は何も伝わってこなかった。さらに、メールの文面をそのまま素直に受け取ったとしても、D-45事件解決の直後には、迷惑料をめぐる新たな戦いが始まることが予想された。それは受け入れるべき状況なのだろうか?倉庫 番はこの先も戦いが果てしなく続く気がしていた・・・。

倉庫 番が持ち続けている疑問に「これは詐欺罪が成立するのか?」がある。通常のオークション詐欺の場合、商品代金を振り込んだ直後に出品者と連絡が取れなくなるケースがほとんどだ。架空銀行口座を使い追求を逃れるケースも多い。オークションIDもオークション終了後消えてしまう。もちろん、出品者の自宅住所や電話番号も嘘のものだ。出品者と全く連絡が取れなくなって初めて「オークション詐欺」であったと気付くケースが多い。

D-45事件の場合を振り返ってみると、これはオークション主催者側の判断で「このケースは詐欺保険対象とならない」とされているケースだった。「代理出品」は保険が適用されないのだ。つまり、出品物の説明に「これは代理出品です」と表記することで「保険会社の調査」から逃れることができるのだ。出品者はその盲点を突いていた。

さらに、出品者の現住所と電話番号は正しいものだった。もちろん本名での出品だった。これらは確認ができている。さらに、商品自体の存在も明らかになっている。出品者と落札者の連絡が取れ続けることで、納品がずるずる延期されても警察は「詐欺」として摘発に動けない状況になり「当事者間で解決して下さい!」と言わざるを得ない。 出品者はそれを巧みに計算しての行為だったのだろうか?

このケースのように刑事的戦いに持ち込みにくい状況では、民事訴訟を行うしか無い。30万円以下の小額訴訟であれば、簡易的に処理できるがそれ以上の金額となると、途端に訴訟費用が必要となってくる。さらに、裁判が開かれる地裁の場所によっては交通 費もバカにならなくなる。つまりこのケースでは、民事訴訟を起こすにも落札者がメンドウな立場に置かれてしまうのだ・・・。

このように落札者として身動きできない状況を、倉庫 番は早い時期に気付いていた。いっそ、出品者と連絡が取れなくなってくれれば戦い方も変えられるのだが・・・。

人が人を信じる行為は「走れメロス」のように美しいものだけでは無い。そこには打算がある。相手の動きを読み抜き腹の探り合をしていても、それは相手を信じていることに他ならない。どす黒く信じあうねじれた世界があるのだ。信じない状況と言うのは「無関心」あるいは「放棄」することだ。まだ倉庫 番は「放棄」していなかった・・・。

D-45事件が発生してから早くも2回目の桜が咲き始めていた・・・。
間もなくあの日から丸16か月が過ぎようとしていた・・・。










*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)



本日の結論
今回の期限は・・・はたして・・・?

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