六弦的魔力繋

2004年02月13日 そして、伝票ナンバーが!


この幻を追い続け28年目。

伝票ナンバー

2月6日12時。倉庫 番の勤務先に電話がかかってきた。デスクが何者かを問いただしている声が聞こえてきた。倉庫 番には日々売り込み電話が多いため、ガードをしているのだ。部外者からの電話が倉庫 番に繋がれることはほとんどない。やがてデスクは倉庫 番に声を掛けてきた。

「●●さんからですが・・・繋ぎますか?」

それは・・・出品者からの電話だった・・・。
倉庫 番(くらこつがい)は頷くと受話器を取り上げた。

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜(今回は豪華バージョン!←クリックすると音楽が聞こえます!)〜〜〜♪


私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!完結編」

「倉庫さんですか?」

「はい・・・そうですが・・・」

「どうも、御迷惑をかけてます!すんません!
 100%確実な情報なんですが、月曜日中に発送できます。100%大丈夫です!
 午後に引き取って夕方発送しますから、火曜か遅くとも水曜日には届きます!」

「はあ・・・?」

「今度は100%確実ですからもうちょっと待ってて下さい。すんません!」

出品者は一方的にしゃべり続けた。そしてあっという間に電話は切れた。又しても「100%確実」を連呼していた。倉庫 番が6日から動き出すと宣言したため、偵察と通 報への牽制だろうと倉庫 番は感じていた。理由は簡単だ。3日後にできる事が何故その日には出来ないのか?
今となっては、3日先に延ばさなければならない理由はない。どうせまた先にズルズルとスケジュールが延ばされるだけの話だ。それは出品者のパターン化したいつもの行為だった。

2月7日早朝。出品者からメールが届いた。

「おはようございます。月曜日ですが 保証人の関係で、火曜日になりますが
 今回は何とかできますので、万一発送出来ない場合は水曜日より返金します。為替で送金します」


いまさら誰が保証人になると言うのだ?読み終えた倉庫 番は腹を抱えて大声で笑い出した。それしか行動ができなかった。たった一晩も守れない「100%確実」のフレーズ。倉庫 番が予想した通 りにしか動けなくなっている出品者。このメールに書かれている内容は、過去のメールを振り返ってみると、全く意味が無いとすぐに判明する


過去にも同じようなメールが何度も届いた事実がある。さらに取り引き当初、倉庫 番が「キャンセル」を申し出た時に「必ず納品するからキャンセルしないで欲しい」と泣きを入れ、取り引き続行を求めて来た出品者だった。そもそも、ショップの店長からD-45を引き取らなければならない状況に追い込まれている出品者だ。1年間在庫を抱えさせておいて今さら「店長!D-45はキャンセルします!」とは言えないだろう。万一発送できない場合は、返金も出来ない場合しかなかった。今までにも出品者が繰り返しやっていた行為だった・・・。

出品者がD-45をショップから引き取れず、返金開始を申し出たと仮定してみよう。どのようなケースなのだろうか? 例えば現金が30万円は手元にあるが、それ以上をどうしても作れない場合。店長は満額でない限りD-45を渡そうとしないはずだ。そうなると、倉庫 番の動きを封じる為には、店長の機嫌を損ねようが取りあえず「返金続行の意志」を倉庫 番に伝えるしか手が無くなる。

だが、そうなるとまた残額を巡って長期戦にもつれ込む事が見えてくる。そして、D-45はショップから引き取られず、店長は持て余す事になる。だが、あの価格であればすぐに引き取り手は見つかるだろう。そちらの行く末に問題は無いと思える。倉庫 番はその段階であらためて店長と取り引きをするつもりだろうか?

その日、倉庫 番は激烈な反撃メールを打ち返した。

2月10日早朝。出品者からメールが届いた。

「おはようございます。経過の説明です。
 日曜日に店長と話しまして、色々衝突の話もありましたが、
 結果的に値引きはなしとの結論でしたが、
 引き取りについては満額の支払いで無くても出せるように考えてくれています。
 到着には今週一杯かかるとも思いますが、最後の段階と思います。交渉中ですので。
 それからこの件は店長には絶対に他言はしないように言われていますので配慮お願いします。
 ヤマト 1797-9064-91XX 運賃元払いで送ります。いま少し、到着までお待ちください」


8日に店長と交渉した事実が10日に報告されたのは何故だ?本来なら8日夜に報告があるべきだ。9日の空白。しかも7日に届いたメールとすでに内容が変化していた・・・。出品者にとっては最後が最後でなく、絶対が絶対ではなく、100%は100%でない。今日もまた言葉から意味が失われて行った・・・。

店長は満額でなくても商品を出すことに合意したのか?倉庫 番には信じられない事態だった。だが、このメールを真に受けてはいけないと、倉庫 番はあわてて思考を切り替えた。
ヤマト便の伝票ナンバーは新しい用紙さえ手許にあればいくらでも書ける。用紙はコンビニでも気軽に手に入るのだ。以前にも「発送しました!」と伝票ナンバーを知らせて来て、それがまったくの嘘だった事実がある。

ここまで人に不信感を与えなければならないのは出品者のなんだろうか?性格破綻者であることは明白だが、それだけだろうか?ここまでの嘘の連続はある雰囲気を持っている。倉庫 番にはかつてテレビでオンエアされていた、サラ金多重債務者の督促に対する言い逃れと同じに感じられた。

さらに、北◆鮮の拉
家族奪還におけるここ1年半の流れとも似ていると感じた。最初はしらを切っていた相手が、ついに非を認め詰めの交渉を開始したが、その後相手から出てくる情報は「虚報」と「裏切り」ばかり。国家には「経済制裁」という報復手段があるが、倉庫 番に残された次の一手はなんだろうか?拉家族の帰国が先か?それともD-45納品が先か?それとも・・・。

「決してヤツを信じるな!」倉庫 番は自分に向かって今日も呟いた・・・。









*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)

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本日の結論

ええかげんにさらせよ〜!

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「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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