六弦的魔力越

2004年01月07日 そして、決着の日がずれていく!


この幻を追い続け29年目。

「2004年もまた自虐的」

ずるずると「越年編」へ発展してしまった!再び沸き起こる疑惑の渦・・・。

2003年12月、出品者は突然「残金処理の為、融資を受けた」と連絡してきた。この報告の意味が持つものは何だろうか?丸13か月を経過し、14か月目に突入した時、新たな動きが見えてきた・・・。これは、平成不況とネット社会がもたらした戦いのドラマである!

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜(そろそろ銀の龍にする?)〜〜〜♪


私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!完結編」

D-45事件の荒立つ進展に反して、2003年は暖かな年の瀬となった。

2003年12月30日早朝、出品者からメールが届いた。前回のメールでは年内に納品完了すると言っていたが、約束通りであれば30日は発送ギリギリの日だった。融資の審査を受け、それが合格したのですぐに解決できるとの連絡があったばかりだったが・・・。

「おはようございます。到着が正月になりますが、申し訳ありません。何とか解決できます」


やはり想像していた通りのメールが届けられた。年末ギリギリに融資審査を受けても、現金を手にし年末に発送処理することなど間に合うはずも無かった。予見できる状況。しかもそれ以前に、このメールは一年前に届いた年越しの言い訳メールとほぼ同じモノだった。あの時の状況を思い浮かべれば、おのずと予想される結果は見えてくる・・・。

「融資話」は「嘘」か「真」か?微妙なテイストを持っていた。時間稼ぎの「嘘」の可能性は果てしなく大きい。だが、それを今確認する術を倉庫 番は持っていなかった。店長に聞いたところで同じ答えしか持っていないだろう。「こうなったら直接ぶつけるしか無い!」そう判断した倉庫 番は12月31日、出品者に皮肉を込めてメールを送った。

「昨年と全く同じ展開ですか・・・。
 正月って何月何日のことですか? やはり融資話も嘘のようですね」


曙がボブ・サップに殴り倒され、白組が優勝し、年越しそばを食い終えた頃、暖かく穏やかな2004年がやってきた。だが・・・年末の倉庫 番のメールに対し、出品者は返事を送ってはこなかった。「嘘」メールも三が日は休みってことか・・・。やがて4日が過ぎ、倉庫 番の冬休みが終わった。仕事始めの5日早朝ようやく出品者から返事。

「おはようございます。遅れましてすみません。融資の件は本当です。只、正月にずれ込んで、本日最終の確認書類を持ち込みます。 東京三●に申し込んでいますが、本日カードは受取ります。ただ、先方に其の最終書類が届くのが2〜3日 かかりますので、手続きの中継は、●山のイトー●ーカドウの3階にある●ーリストで受けていただきました。キャッシュ●ンという物です。この件は 100%OKですので、本当にもうすぐ解決できます。本当にすみませんが、今一度お待ちください」

「本当です」と今まで何度送られてきただろうか。だが、その中で本当であったケースは極めて少なかった。くり返される「虚偽の報告」はすでに腐臭がする程に陳腐化していた。「嘘」は具体的なデータを並べれば並べる程「本当」らしく見えてくるが、その整合性を維持するのは逆に難しくなってくる。嘘はいずれ破綻する。倉庫 番は、このメールを読んで「今回の嘘の整合性を出品者はいつまでキープできるか?」を楽しみたくなっていた。2004年もまた自虐的な愉しみに耽るのか・・・。

念のために調べてみると「キャッシュ●ン」はクレジットカード形式で年利15%〜18%のローンだった。審査に合格するとカードが渡され、300万円まではATMで引き出し可能となる。だが、通常ローンの審査には「定期的な収入」の証明が必要なのだ。この出品者の言動から推察すると真っ当な定職に就いているとは考えにくかったが、WEBで確認したこの審査基準はかなり緩やかに思えた。

東京三●キャッシュ●ンは
○東京三●銀行・三●信託銀行グループなので始めての方にも安心してご利用いただけます
○入会金・年会費・ATM手数料は一切不要。
○パート・アルバイトの方もお申し込みいただけます。
○東京三●銀行・三●信託銀行・ア●ム・コンビニエンスストア等の全国約1万台のATMでご利用可能
○インターネットから24時間いつでも好きな時にお申し込みいただけます。
------------------------------------------------------------------------
【株式会社東京三●キャッシュ●ン貸付条件】
金利/年15%〜18% ご融資:1万円〜300万円 返済方式:借入金額スライドリボルビング方式
担保・保証人:不要 遅延損害金:年率21.90〜26.28%
東●都中央区日●橋2丁目3番●号 関東財●局長(1)第XXXXX号

出品者はかなり年令を重ねていると思えるので、取りあえずどこでも良いからアルバイト的就職口を見つけて、審査をクリアできる環境だけ整えたとも考えられる。現金を200万円程度借りられれば、現時点で出品者が抱えている複数の「オークション落札品の未配達」物件は全てクリアできると予測できた。

例えば今もまだ20件の不履行物件があるとすれば、1年以上に渡り20名からのメールに対し防御し続けなければならなかったはずだ。それを「キャッシュ●ン」1本にまとめることができれば、金利は発生するが精神的負担はかなり軽くなる。しかも正々堂々とした商取り引きとしての「借金」だけが残ることになる。後は、金利分を払い続ければ倉庫 番から日々「イヤミなメール」が送りつけられることもなくなる。警察に通報される心配もなくなる。ローンの審査さえクリアできれば、確かに今の落札者にとっては天国のようなローンが組める可能性は大きかった。だが、この融資に問題は無いのか?

この話には一つの疑問がある。「キャッシュ●ン」はいつから始まったサービスなのだろうか?「ババンと!」のCMでお馴染みの商品のはず。かなり以前からあのCMは流れていたようだ。少なくとも半年前からでは無い。「1年前にはCMが流れていた気がする」倉庫 番はそう感じていた。だとすれば何故、13か月も放置した今頃になって突然「キャッシュ●ン」なのだろうか?とっくに採用されているべきローンではなかったのか?

この不況の時代、50才を過ぎた者に就職口はなかなか見つからない。出品者もその影響でこれまでずっと定職に就けなかったということなのか?邪推、類推、希望的観測、それらを交え倉庫 番は思考を続けた。出品者のメール内容を信じるとし、シミュレーションをしてみた。

05日 出品者がローンカードを受け取る。
08日 審査確認書類が銀行に届く。
13日 カード使用可能となる。その夜ショップからD-45を引き取る。
14日 梱包、発送。
16日 到着。

審査確認書類の処理に銀行側でどれほどの時間がかかるかは分からないが、貸す側も商売である。書類はすみやかに処理されると仮定した。カードが使えるようになれば、その後は物理的処理の時間なのだ。スケジュールの狂いはほとんど生まれる可能性が無いはずだった。多く見積もっても1月18日(日)までに解決しなければ「融資話」の報告メールの内容は「嘘」だったことになる。「嘘」が出るのか「真」が出るのか?単なる時間稼ぎか? 再び倉庫 番にはデッドラインが見えてきた・・・。












*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)

本日の結論
引っ張ってくれるね〜〜〜!!!

------------------------------

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



GO TO HOME PAGE