六弦的魔力攻

2003年10月12日 本性が見える!


この幻を追い続け28年目。

「その先にまた別の攻撃的感情が」

「D-45事件」はさらに深遠なる世界へと堕ちていった!

毎週のように繰り返されて来た出品者からの「虚偽の報告」・・・膨大な量のテキストが電子空間を飛び交った。意味をなさないテキストの群れ・・・。長い期間に渡り、苦悩が邪推を生み、嫌悪を呼び起こしていた・・・。

21世紀初頭、D-45を追い続けWEBの奥に潜む「邪悪」と戦い続けた男の、これが10か月以上に及んでいる推理ドラマの現在である。

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜(終われそうもないな!)〜〜〜♪

私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!攻撃編」


寒い夏は、一瞬暑い秋を連れて来た。そして再び冷え冷えとした秋へと移って行った。落札後10か月目の9月22日、その日の夜にも、相変わらずの出品者からのメールが届いていた。

「本日チェック済みを持ち込んでいます。
  未チェックも今夜から明日にかけて 納品できるようにやっています。済み次第連絡します」

このメールが意味するところは「仕入れた中古PCの動作チェックを行ない、ショップに持ち込んでいる」という意味だった。だが、前回のメールからすれば、もう1回ショップに持ち込めば終了するはずだったはず・・・。結局それも反故にされていた。

倉庫 番(くらこつがい)はすでに、この出品者の言葉を信じてはいない。「あと1回で完了」と伝えられても信じていたわけでは無かった。信じている事は「いつかは終わる・・・」だけ。倉庫 番の怒りは追撃のメールとなって出品者へぶつけられた。

9月25日朝、出品者からのメール。

「おはようございます。いままで度重なる不履行で言う言葉もありませんが 、私自身つぶれないで最後まで完了の気持ちでやってきました。 少しづつでも対応していけば、必ず終わると思いまして、今回の件では大変ご迷惑をかけまして申し訳ありませんでした。今月は決算と聞いていますので、いかなる方法でも解決は必須の状況にありますので、本音の話、今月残りわずかですが解決は必ずできます」

本音・・・今までにこの言葉も何度も送られて来ていた。そして、守られる事は無かった・・・。言い訳が言い訳を生み、さらにマヤカシとなる。ショップが決算だからとの理由は説得力を持つのか?逆に考えれば、決算で無ければいつまでも対応する気が無いと言う事か?しかもメールの文章では「今回の件では大変ご迷惑をかけまして申し訳ありませんでした」と迷惑をかけた事がすでに過去形になっていた。これは現在進行形の迷惑なのだ!と倉庫 番は苛立った。

いよいよ、問題の9月30日朝がやって来た。いら立ちを逆なでするように、出品者からのメールが届いた。

「おはようございます。明後日、発送できそうです。いま少しですが 御迷惑を掛けます」

ショップが決算をやるので、出品者は9月30日にはD-45を引き取らなければならないはずだった。そして、引き取っでも発送は2日後にすると言うのか?そんなバカな話は無い。出品者のメールには矛盾がある。再び事態は振り出しに戻ったのか?今までの店長の情報が正しければ、前進はしているはずだったのだが・・・。

前回のメールでは10月2日が発送予定日だった。だがその日、D-45を発送したとの連絡メールは出品者から届かなかった。予想された展開であった・・・。倉庫 番は寝つけない夜となった。無意識で意識している感覚があった。明け方になりようやく眠りについた。

倉庫 番は、初めての街を走り回りやっと出品者の家に辿り着いた。目の前に出品者がいた。思ったより若造だった。チンピラじみていた。出品者は、突然乗り込んで来た倉庫 番にうろたえていた。倉庫 番は激しく出品者を罵った。今までの手口を叩き付けるように罵倒した。ただ詫び続けるだけの出品者・・・。だが、罵るだけでは何も解決しない。やがて、ショップの店長に会う為に倉庫 番は出品者の家を飛び出した。走り出してからきづいた。倉庫 番は、この町の土地カンを持ち合わせていなかった。ただただあてもなく街を走り回るだけだった。そして、走り疲れて・・・目が覚めた・・・。夢だった・・・。

この夢の展開は、先日読んだばかりの大沢在昌著「走らなあかん、夜明けまで」の影響大だと感じた。夢まで「読了的」と「六弦的」が合体し侵食し始めていた。嫌な傾向だった。現実とフィクションが倉庫 番の中で混濁を始めていた。

10月3日朝、メールが届いた。

「おはようございます。詳細の報告です。現在PCの持込済みが、20万くらいです。後、80000円PCの持ち込みします。残りはこれ以上時間をかけられませんので、現金で決済します。昨日は店長、休みでした。明日、店にいきます。言い訳がましいですが、私なりに優先して一歩一歩解決の方向に向かっています。本当にもう少しで解決できますので、よろしくお願いします」

まったくふざけた内容だった。8月の段階で「残り8万円で完了する」とわざわざ電話までかけて来ていた出品者であった。今さら半分にも満たないと言うのか・・・。9月末はショップの決算で、D-45引き取りは必至の事態では無かったのか?ますます、倉庫 番は出品者に対して嫌悪感をつのらせていた。いずれこの事件は解決はするだろう・・・だが・・・その先にまた別の攻撃的感情がうまれるだろう・・・と倉庫 番は感じ始めていた。

数日後、倉庫 番は短いが攻撃的なメールを送ってみた。

10月8日夜、メールが返って来た。

「こんばんは。れんらくありがとうございます。半端な金額を預かれないと思いますので、現状それが出来ませんが、 いつも同じことと思われるかも分かりませんが、倉庫様に発送できなければ、他の方への対応が出来かねる状態でして、これで精一杯のことをしているつもりです。早く解決して、残りの件に移行しなければいつまでも対応できなくて残念ですが、私自身、倉庫様に全力で対応中です」

何を言っているのだろうか?自分の立場を理解しているのだろうか?こいつは破綻している。倉庫 番はそう感じた。多くの落札者達が「返金」と「納品」を延々と待たされている。その中で倉庫 番が納品順位1番だというのか?信じるんじゃない・・・本性が見える・・・こいつの言葉を信じるんじゃない・・・また、結末まで遠のいた気がした・・・。



本日の結論
次の展開が見えなくなった・・・。

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