六弦的魔力警

2003年09月03日 決着の日は近いのか?


この幻を追い続け28年目。

「裏切りは許さない・・・」

ついに決着は見えて来たのか?そこで「警告編」に突入!

時は過ぎ去ってしまえば早いものだ。倉庫 番(くらこ つがい)は、今あの怒濤の日々を振り返っていた。2003年3月になりオークションの表舞台からこつ然と出品者のIDが消えた・・・。突然襲ったその状況に精神は揺れた・・・。そして、手探りの情報戦が始まった!焦れる待ちの果てしなく遠い時間・・・出品者の本当の動きが掴めなかった・・・。長き沈黙の5か月を突き抜けてついに明らかになった概要!果たして「D-45」は存在したのか?それとも存在しなかったのか?それは悪質な詐欺だったのか?

これは20世紀から21世紀にかけてD-45を追い続け、WEBの奥に潜む「邪悪」と戦い続けた男の、9か月に及んだ慟哭のドラマの現在である。

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜(まだ続くの〜?)〜〜〜♪

私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!警告編」

2003年3月頭、出品者のオークションIDが使用制限扱いとなり、出品者はオークションの表舞台からこつ然と消えた。悪評が溢れていた評価欄も一瞬にして消えた去った。オークションからまったく気配が消えた・・・。その直後、倉庫 番(くらこつがい)は、出品者を問いただし、D-45の保管先情報を引っぱり出していた。それは某ショップだった・・・。

落札当初に某登録会員が「あの出品者が■■で商品を仕入れているとの噂を聞いた事がありますよ」と知らせてくれたが、そのものズバリの店だった。ネット上の噂にも、そのショップで目撃されていたとの情報が流れていた。二つの情報はリンクした。そこは出品者の懇意にしている仕入れ先だった・・・。倉庫 番も良く知っているチェーン店だった。倉庫 番はさっそくショップの店長に電話で事実関係を問い合わせした。そして店長から、出品者本人が確かに「D-45」を取り置きしているとの証言を引き出した。

出品者の情報に詳しいショップの店長さんは、こう語る。(おい!番組が違うぞ!)

「●●さんは時々おいでになってますよ。あと少しで引き取れるから、もうちょっと待って!とおっしゃってますが・・・なかなか引き取ってもらえないんで困ってるんですがね・・・。まあ、 お得意さんですから、こっちとしてもあんまりシツコク引き取ってくれと言えないですからね」


彼等の中では合意は出来ているようだった・・・。

これはワナか?それとも店長は善意の第三者か?ショップ店長と常連の出品者がグルになっていれば証言はいくらでも繕える。だが、そこまでする必要があるのか?倉庫 番は数日後、ショップに再び電話をかけた。店長は休みだった。倉庫番はこの瞬間を狙っていた。電話に出た若い店員に質問を浴びせてみた。そして、聴こえて来た返事は「確かに、●●さんの取り置きでD-45は保管してあります」だった。店長だけならともかく、若い店員まで全員を出品者が巻き込む事は難しいだろうと倉庫 番は判断した。

D-45は実在しているようだ。だが、納品はされない。その状況が長く続いていた。考えられる事はただ一つ。なんらかの原因で出品者の手元から、D-45を引き取れるだけの現金が失われている状況だった。ジリジリと時が過ぎていった。出品者と倉庫 番(くらこつがい)の間には数多くのメールが飛び交っていた。何度となく「もうすぐ納品します」とのメールが届いていた。やがて5月が訪れ、ついに6月になった。もちろん納品はされなかった。

5月以降、出品者とのメールのやり取りがぎこちなかった。なかなか問い合わせに返事が来なかったり、突然他人のメールアドレスが使われていたりと、不可解な動きが続いていた。だが、メールのやり取りが完璧に途切れるわけでも無かった。何かが起こっている・・・今までと違う事態が起きている・・・。倉庫 番はそう考えずにいられなかった。

倉庫 番(くらこつがい)が、最後のカードである「被害届」を警察に出そうかと思い始めた6月中旬、突然出品者から「お詫び」の告白メールが届けられた。メールを要約すると以下のような内容だった。

● 時間をかけて納品、返金を続けて来たが、現時点で処理がなされていない落札者は27名いる。
● 所轄警察から「早期に返金するように」と指導を受けた。
● 全落札者に対して「分割返金」で承諾してもらえる様メールを送った。
● 警察からも落札者各位に対し電話で事情説明がされた。


警察から事情聴取を受けた出品者は、時間は掛かるが必ず全額返済するとの誓約で警察に解決策を委ねたと思われた。警察は「被害者」を出さない為に事件にはしないようだった。だが・・・倉庫 番(くらこつがい)には警察からの電話は掛かってこなかった。何故だ?このメールにはいくつもの疑問が浮かんだ。

出品者は追記していた

「倉庫番様には必ず納品します。他の方と違って必ず商品を納品します!
 手持ちの他の商品を業者に処分して金策を行なっていますので、
 今しばらく時間を下さい。6月25日までには納品完了します、最後の期日です」


「最後」この言葉が出品者から今まで何度出て来ただろうか・・・。
倉庫 番(くらこつがい)はさすがに今回は信じる事は無かった。だが、待つ事にした。騒いだところで何も解決はしない。相手の金策が終わるまで、状況は何一つも好転しないのだ。じっくり待つ。作戦はただそれだけになっていた・・・。

約束の6月25日午後。出品者からメールが届いた。

「こんにちわ。約束の25日ですが、現状で80%解決しました。
 後20%の処理に数日かかる状況です。
 ショップの店長には連絡しないようお願いいたします。申し訳ありません」


倉庫 番にとってメールに書かれた数字が何%であろうが意味は無かった。そこには「叉しても約束が反故にされた」事実しか無かった。さてどうする?焦る事は無い。いくらでも反撃の方法はある。取りあえず、イヤミたっぷりのメールを出品者宛に送り返す倉庫 番だった。今騒いだところで被害者が増えるだけだ。

そして5日が過ぎた。その間、何の連絡も来なかった。今までの出品者の反応とは違っていた。金集めに奔走しているのか? それとも逃げたか?5日目の夜、またしてもマジックワードを含んだメールを倉庫 番は思い付いた。他の落札者達は警察にリストとして提出してあるのだろうが、出品者は明らかに倉庫 番(くらこつがい)の存在を警察には伝えていない。そのため「絶対に商品を届ける」と言い続けているようだと推測できた。出品者のウイークポイントは「ショップの店長」と「警察」への連絡。突破口が見えて来た。さっそくメールを送りつけた。

「警察の指導を受けたと連絡がありましたが、
 警察に事実関係を確認致しますので、地元警察の担当者を御教え下さい。
 さらに、ショップの店長に何故連絡してはイケナイのでしょうか? 」


暗に「電話するぞ!」と云っているようなものだった。効果的攻撃だった。6日目の朝返事が送られて来た。メールは連絡が遅れた事を詫びていた。そして、90%解決していると書いてあった。警察と店長には連絡しないでくれとも書いてあった。さらに2時間後、追伸メールが届いた。

「だいぶ解決に近づいています。本当ですのでよろしくお願いします。
 不足分が何とかできる様になりました。明後日、連絡します」


明後日は7月3日にあたる。そこで出品者は何を伝えて来るのだろうか?そして連絡は無かった・・・。
7月7日早朝、メールが届いた。連絡が遅れた事を詫びていた。絶対に納品するのでもう少し待って欲しいとの、いつものメールと同じ内容だった。倉庫 番はもはやその文面になんら意味を感じなくなっていた。

それから1週間、再び連絡が途切れた。問い合わせのメールを出したが戻っては来なかった。逃げたか?それとも再び病か?倉庫 番はついに出品者の自宅に電話をかけてみた。出ない。転送の呼び出し音が鳴るばかりだった。携帯電話にもかけてみた。数度掛けたが、応答は無かった。さあ、どうする?そもそもD-45はまだショップに置いてあるのか?取り置きそのものが、これだけ長期間に渡るとキャンセルされている可能性は無いのか?7月15日朝確認の為、店が開いた直後に店長へ電話を掛けてみた。

「大丈夫ですよ。まだ取り置きしてありますよ。でも梅雨時ですしね。
  生ギターなので、そろそろ引き取って欲しいとお願いしてるんですけどね」


「●●さんは最近来られていますか?そして、店長はキャンセルされるつもりは無いんですか?」

「はい!ちょくちょく来られますよ。もうちょっとで引き取れるからと言われるんで、
 こちらからキャンセルするわけにもいきませんしね」

「そうですか・・・それではもう少し様子を見ていましょう!」

その30分後、倉庫 番の勤務先に1本の電話が掛かって来た。不審な電話だった。こちらの職業を探るような電話だった。デスクは編集スタジオである事を伝えていた。5分後、再度電話が掛かって来た。倉庫 番につないで欲しいと相手は言った。「●●さんからですが・・・つなぎますか?」デスクは伝えて来た。出品者本人だった。携帯電話の着信記録を見て掛けて来たのだろう。倉庫番は受話器をとった。

「倉庫さんはスタジオにいらっしゃるんですか?」

「ええ・・・」


「今お時間は5分程よろしいでしょうか。こちらの事情を御報告したいんですが・・・」


と、事情説明が始まった。

実は3か月前に一人の落札者から告訴された。ちょっと納品が遅れただけだけで、本来なら事件にならない程度の話が、たまたま落札者が所轄警察所長の友人であった為に、大騒ぎになってしまった。同時に他の落札者達からもいくつかの被害届が出されていたので、相乗効果で一気に警察が動きだした。

その結果、6人の刑事が家宅捜索に入り、PCをはじめとしてすべての伝票類が一切合切警察に押収されてしまった。それから警察の事情聴取が始まり、この3か月間毎週毎週警察に呼び出され続けていた。捜査の結果、出品者はすべての落札者に対し返金の意志があると判明し、最終的に警察は詐欺では無いと判断した。そして先日、ようやくPCと伝票が自宅に戻されて来た。

この間にやりとりしていたメールは、アドレスが一時変わったり、スムーズにやり取りできなくて迷惑を掛けていたが、知人に借りたPCから発信していたので、そのような事態に陥っていた。

警察から倉庫 番(くらこつがい)に連絡が無かったのは、「必ず商品を発送する」数名に関しての情報を警察に教えなかったからだ。絶対に返金処理で済ますわけには行かないと考えている方が3名いる。倉庫 番はその一人である。現在、金策も進みあと8万円でD-45を引き取れる金額になるので、もう少し待っていて欲しい。


ショップの店長から「梅雨時になったのでギターのコンディションが心配だ」との連絡を貰ったので、チェックしに行ったが何も問題は無かった。ちなみに、あまりに長期に渡り待ってもらっているので、お詫びとして納品時に少し返金もしたい。

以上のような内容だった。今回の電話の内容は信じられるのだろうか?その細かなニュアンスの中に、様々な今までの疑問と符合する点が多かった。出品者は事情をさらけだして来たようだ。「そこまで言うなら待ってやる!」倉庫 番は長過ぎる待ちの期間に、ある結論を持っていた。最終的にどうなるにせよ、最悪の事態になれば「告訴」の手がある。

「少し返金もしたい」との発言が倉庫 番は気になった。そう発言する事で、怒りを少しでも緩和させようとしていると感じられた。待たせる為のテクニックにしか感じられなかった。これは明らかに引き延ばしの作戦に入った事を意味していると感じられた。さらに長期戦となるか・・・。

前回の告訴で明らかにされなかった「警察も知らない落札者達」がいる事実は、倉庫 番が告訴すればそれですべてが明らかになる。そうなれば警察は前回のような対応で済まさないだろう。そろそろ警告を発する時が来たようだ。「裏切りは許さない・・・」倉庫番は、黒い炎を揺らめかせながら呟いていた。詐欺の時効は7年。告発可能な期間はまだ6年も残っている・・・。

詐欺罪は「現時点で納品の意志がある」ことで消えるものでは無い。あくまでもオークション出品の時点で「犯意」が存在したのかが問題となる。今回のケースの場合、店長の証言によれば、D-45が取り置きされたのは3月頭のようだ。昨年11月にD-45が出品された瞬間には、出品者のコントール下に存在していなかった。存在しない商品を出品し、落札させ、商品代を受け取ったその時点で「詐欺罪」は成立していたのだ。

そして、終わらない梅雨がいつまでも続いていた・・・。


♪〜〜〜エンディング・テーマ〜〜〜♪

永遠の時の流れにも、いつの日か終わる時が来る・・・。それはいつなのか・・・。
いよいよ迫る、決着の時!果たしてD-45の存在は情報の通りなのだろうか?
次回を御期待下さい!


*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)


本日の結論
警察は本当にそのような対応をしたのだろうか?気になる・・・。

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