六弦的魔力混

2003年03月09日 決着の日はいつの日か?


この幻を追い続け27年。

「やがて約束の週末がやってきた」

いつまでも最終回にたどり着けないので「混沌編」に突入!

あの日々は倉庫 番(くらこ つがい)の人生でどのような意味を持ったのだろうか。信じる事と疑う事が交互に波のごとく押し寄せ続けて来た。その間に2002年から2003年へと年は移り、今もまだ確信が持てない日々が続いていた。ひどい痛みを伴っていた腱鞘炎はさすがにぶり返す事は無くなっていた。そして、春の風がそよぎ始めていた。

これは20世紀から21世紀にかけてD-45を追い続け、WEBの奥に潜む「邪悪」と戦い続ける男の、100日以上に及ぶドラマの現在である。

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜(ホント〜にもうこれっきりですか〜?)〜〜〜♪

私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!混沌編」

話は少し遡る。

交渉停滞の日々がしばらく続き、ダラダラと時が過ぎて行った。その間に倉庫 番は数度、出品者とメールをやり取りしていた。そして、この出品者のオークション評価は日を追うごとに崩れ始めていた。「悪い」評価が増え続けていた。落札者達は、いつまでも納品されない商品に苛立ち、さらに返金すらされない状況にその経緯を評価欄に書き連ね始めた。倉庫 番の目にはそれはとてつも無く悲惨な状況に映った。多くの落札者達が吠えていた。

倉庫 番はその評価を読む度に胸が痛んだ。さらに心が騒いだ。2●ちゃんねるでも相変わらず出品者のうわさ話が飛び交っていた。「邪推」と「邪悪」そして「現実」が混沌となり「情報のカオス状態」を生み出していた。それでもまだ信じ続けられるのか?D-45は存在し、楽器屋に保管されていると主張し続ける出品者と、周りに飛び交う情報にはあまりにもギャップがあり過ぎた。怪し気な情報の隙間を正しく見極めなければならなかった。

「黒い炎」倉庫番は久々にその言葉を思い出していた。長い戦いの日々に精神状態は逆に穏やかになっていた。静かに動向を見守り続けていた。だが久々に出品者に対し、刺激を与えても良いのではないだろうか?仕入れ先の楽器屋との交渉がどこまで進んでいるか知らないが、待つ事にも眼界がある事を通知する必要があるだろう。振り込み後3か月目の日、最終通告メールを送った。

信用して待っていて欲しいとの再三の申し入れに、長い期間信用し待ち続けました。
しかし、 信用し続けるにも限界があります。
入金日より起算して100日目をもって、取り引き中止とすることを御諒承下さい。
現在93日目。残り1週間以内に商品が届けられるか、全額返金されない場合には、
オークションの指導、手順に従い関係各所に報告し「補償保険」の手続きを開始致します。

冷静だが厳しい内容のメールだった。すぐに出品者から返事が届いた。

おはようございます。ありがとうございます。
発送の件、3月3日でお願いします。ネット詐欺では5000件も売れません。
もちろんそれまでに発送できない場合は返金します。
返金は3月4日。この件は最後の提案です。 早くなれば早く処理します。

又しても3月3日まで待てと言うのか?しかも、期限を切って返金まで口走っている。ふっふっふ・・・倉庫番は「黒い炎」をメラつかせ始めていた。しばらく忘れかけていた感覚だった。待ってやる!返金なんぞは求めていないのだ!ブツを納品させてやる!絶対納品させてやる!絶対「最後の提案」だな?待ってやるぞ!これが「最後の提案」になるといいがな!メラメラと「黒い炎」は見えない光を放ちながら、どす黒く倉庫 番を焦がしていた。

約束の日、3月3日夕方、出品者からメールが届いた。

今夜、最終的に楽器屋と話し合いをします。よろしくお願いします。

3月4日朝、交渉結果の報告メールが届いた。

おはようございます。何とか楽器屋と話をつけました。
3日は経過してしまいましたが、 明後日持ち帰りできます。
今週末には届けます。遅れましたがすみません。

これはどのように解釈するべきだろうか?今まで取り交わした膨大なメール達とどこが違うのだろうか?文面だけでは本質は何も分からなかった。これが真実の報告であるのか?その補償はどこにも無かった。又しても単なる延命策か?面白い!倉庫 番は、思いっきりぶちまけたコマセに群がる魚の様子を眺めている気分になっていた。さあ!この先どう動く?出品者よ!悲しい事に、倉庫 番はその時点で、再び約束が破られると予測していた。

その日、勤務中の倉庫 番へ妻からメールが届いた。

さっき、変な電話があった。
ご主人いますか〜?
居ません。
携帯の電話番号を教えて下さい。
どちらさまですか〜?
ギターの件ですが・・・(名前を言ったけど忘れた。)
携帯はバックに入れて気が付かないと思うんですが・・・(メールしろよって思いつつ)
昨日送るって言ったんですが・・・
明後日問屋に取りに行きますので今週末に届くと思います。
なんだったら問屋の電話番号をお知らせしますが・・・
電話されてもウソじゃないことがわかりますので・・  

じゃ伝えておきます。
色々ご迷惑をお掛けしてすみません・・・。

・・・と言う電話でした。 なんだかまだコロコロ話が変わってるのね〜〜〜〜?

倉庫 番が1月にあみ出した「魔法の呪文」は「発熱で長期間発送できないのなら、こちらで手配してヤマト便に集荷依頼し、●●さんのお宅へ向わせます」だった。これで「いよいよ第三者に乗り込ませるぞ!」と言外に警告を発したのだった。他の人々が今まで一度も使っていない、予期していない攻撃宣言だったのだろう。当時そのメールに対する反応は早かった。

自宅にD-45が存在する様に振る舞っていたが、現実にはずっと「楽器屋」に保管されていた。出品者に引き渡されていなかったのだから、渡せるわけがなかった。倉庫 番の「魔法の呪文」にはおおいに慌て始めた出品者だった。言い訳の辻褄が合わなくなった出品者は、そこで始めてD-45の行方と、楽器屋との取引状況を明確に通知して来たのだった。

今回の取り引きの中には、大きく深い謎が横たわっていた。倉庫 番だけでは無く、他の落札者も多数待たされているはずだった。それぞれが送りつける膨大な量のメールに対し、それに対する言い訳を書き続け送り続けるのは、どれほどの気力体力が必要だったのだろうか?そのエネルギーを考えれば、真摯に商品発送に対処し続けた方がよっぽど早い解決になるのではないだろうか?悲しい事に、それが出来ない大きな事情を出品者は抱え込んでいるようだが・・・。

落札者達の「怒り」の根源は「商品が届かない」事もあるが、その前に「お金を振り込んでいる」事実に対して対応されないことで怒りは増幅されているのだった。この出品者が「宅配便の代引」による発送にすれば、落札者は商品が届くまで支払わなくて済むのだから、そのトラブルも少なくなるはずだった。やはり出品者は自転車操業を行なっているのか・・・。

やがて約束の週末がやってきた。そして、D-45は届かなかった・・・。最後の提案は守られなかった・・・。

さらに、突如として出品者のIDが「使用制限」を受けオークションの表舞台から消えてしまった。当然、あれほど罵詈雑言が溢れていた出品者の「評価欄」もすべて消滅してしまった。これは出品者への高まる「悪評」を消滅させる為の手立てなのか?今さら何を取り繕うというのか・・・。出品者のなりふり構わぬアガキが見え始めた・・・。

〜〜〜エンディング・テーマ〜〜〜

倉庫 番はこの先どうするのか?まだ待ち続けるのか?待つ為にはそれなりの理屈が必要だった。論理的に納得できる待ちができるのか?計算をやり直してみた。その結果、ある数字が目の前に現れてきた。なに?なんだと?ううむ・・・そのような考え方もあったか・・・驚きの数字がそこに現れて来たのだった。すぐに作戦を立て直してみた。これなら待つ!待ってやる!決着がつくまで待ってやる!いや!決着させてやる!倉庫 番は小さくつぶやきなら再び「黒い炎」を揺らめかせ始めた・・・。いったいどんな数字が現れてきたと言うのか?


*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。
 ひょっとして実在するかも知れませんが・・・!(なんだよそれ?)



本日の結論
これで又しばらく「六弦的魔力戦」は休みます。次回は決着後に掲載予定!

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