六弦的魔力意

2003年01月26日 予測した通りに展開する!


この幻を追い続け27年。

「待ち伏せ」

悲しみの「意地編」に突入!

1月22日。出品者は直接電話で倉庫 番(くらこ つがい)に納品日を伝えて来た。23日発送手配をし、25日までには届くはずだった。倉庫 番はそれを全く期待していなかった。必ず言い訳がやってくると予測した。次はどのような手を使うのか?出品者の言い訳が愉しみだった。1月も終わりが近付いていた。まだ春は遠かった。

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜(もうすっかりお馴染み?)〜〜〜♪

私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!意地編」

出品者が電話で連絡して来た「商品発送日」は1月23日のはずだった。であれば、2003年01月24日にはヤマト便の伝票ナンバーが「配送検索」で出てくるはずだった。24日朝、以前知らされていた伝票番号を使ってアクセスしてみると「伝票番号未登録」と表示された。予測した通りだった。倉庫 番は苦笑した。

だが過去の経験から考えると、ヤマト便の伝票番号が配送終了後にようやく検索できたケースもある。確認の為、夕方まで待ってみた。再度検索。やはり「伝票番号未登録」のままだった。やはり発送はされていなかった。倉庫 番は、あまりに予想した通りに動く出品者の態度に大笑いした。反撃を続けることにするか。すぐに出品者に向けメールを送った。

そのメールの中でも倉庫番は「信じ切っている哀れな落札者」をまだ演じ続けていた。出品者のなめた態度がいつまで続けられるのか?愉しみだった。怒りのメールが届くはずの相手から冷静なメールが届けば、さらに出品者は精神的に追い詰められていくはずだった。

その夜。出品者からメールが届いた。

こんばんは。
発送一日お待ちください。伝票は同じです。
熱がでていますが糖尿が持病でありまして。
でも、頑張って発送します。

ほほう!今度は糖尿病と来たか!新しい病気の発表だった。そして、今までの2か月間、頑張る気は一度も無かったのだろうか?22日の電話では「もう大丈夫!」だと知らせて来た出品者だった。それが又してもすぐに「発熱」である。わざわざ電話をかけて来てまで、納品時期を偽らなければならない理由は何だ?「そろそろ網の目を縮めようか・・・」倉庫番は小さく呟いた。

出品者はヤフーで口座名が公開された以上は、すでに「倉庫番が信じ切っているわけが無い」と思っているはずだった。しかし、落札者からは相変わらず言葉をまったく荒げない「信じ切っている」メールしか届かなかい。無気味なはずだった。出品者もまた「真面目」を装おうメールしか送ってこなかった。裏で何を考えているのか?お互いに気付いているはずだった。狐と狸の化かし合い。

1月25日、D-45は予想通り届かなかった。出品者のメールによればさらに一日待てとあった。となれば26日に届くと言うのだろうか?それは信じてはならない情報だった。期待してはならない・・・。26日朝、ヤマト便の伝票ナンバーを確認してみた。やはり「伝票番号未登録」のままだった。25日にも発送されていないと言う意味だった。

出品者には納品する意志があるのか?メールや電話では「納品意志」を伝え続けている。だが、納品はされていない。後日なんらかの動きがあった時に「納品意志はあったのだ!」と反論するための布石なのだろうか?倉庫 番はさらに思考を深めた。

倉庫 番がオークションで「D-45」を見つけた時、出品者の個人情報はすでに手元にあった。さらに、一度GIBSONを取り引きした経験もあった。その為、住所、電話番号、フルネーム、いずれも分かっていた。これで、出品者は逃げ隠れできない状況にあった。

「これは詐欺だ。現金を振り込むな」とBBSに書き込まれた時、倉庫 番は「親切な方もいるもんだなあ」と感じていた。だが、今までの連載の中ではまったく逆の表現をしているのにはそれなりの理由があった。それはあの書き込みを「即刻削除」しなければならない別の理由があったからだ。

倉庫 番は書き込みがあった11月22日朝の時点で、D-45を落札したと公表したくなかった。登録会員諸氏に知られたくなかったのだ。理由はもうお分かりだろう。「六弦的魔力●」を発表する際の六弦系登録会員に対する、特に「D-45は一生もんっすよね!」と常々言っていた登録会員00035橋本様に対する「インパクト」を狙ったのだった。瞬間的に連載化を思い付いた倉庫 番は、その朝、登録会員諸氏が書き込みを見る前に削除する必要があった。

出品者は「病気見舞い」の意味をどうとらえただろうか?「信じ続けている愚かな落札者」をイメージしたはずであった。それこそが重要な狙いだった。「動かない最善手」の意味は自分から「キャンセル」を言い出さないと言う意味だった。返金させるつもりはまったく無かった。「待ち続ける姿勢」を見せ続けなければならない。倉庫 番からキャンセルを言い出せば「オークション手数料」を差し引かれて戻って来るはずだが、最終目標は実は「時間がかかっても絶対!D-45を納品させる!」をテーマにしていた。

倉庫 番の最終目標の意味とは?「意地」であった。落札したその日に書き込まれた「警告文」に対する意地だった。出品者に対する「意地」だった。「きっちり決着をつけろよ!」とは、そう言う意味であった。出品者に「借り逃げ」させる気は全く無かった。今回のケースは「その値段で納品出来るもんなら納品してみろよ!」 と半分自分から仕掛けていたのであった!戦略で言えば「アンブッシュ作戦」だった! 倉庫 番が仕組んだ「待ち伏せ」だった。

今、倉庫 番の脳裏には出品者の苦悩する顔が浮かんでいた。まだ一度も見た事が無い出品者の姿だったが、それは老いてクタビレでいた。「納品催促メール」が今日も出品者のもとへ殺到しているはずだった・・・。倉庫 番はこの事態を観察し、さらに追い討ちのメールを書く事にした。そこに書き込まれた言葉は、以前から考えていた「秘密の呪文」だった。26日11時28分メールを送信した。

26日11時39分。驚く事に送信後11分で早くも出品者から返信が来た。メールを読み、返信文を書いた経緯を考えれば即答に近いメールだった。倉庫 番が書いた「秘密の呪文」は効いたのだ。熱心な出品者であると誉めるべきか?それとも、熱を出しながらもイイワケを書くためにPCに張り付いている状況を笑うべきか?

こんにちは 。
最終 明後日までに発送できます。
これが最後の約束です。


自分の立場を「信じ切っている落札者」に置いたまま、相手を脅さずにすぐ返信を出させる程の「秘密の呪文」を書いた倉庫 番はほくそ笑んだ。「最後の約束」とは笑わせる。今まで何度も目にして来た言葉と、たいした違いは無い。これもまた「言訳」か?それならそれで良かった。出品者はこれから先、次第に自分自身で堕ちていくのか。

果ては見えなかった。行き着く先はまだ誰も知らなかった。D-45は今どこに存在するのか?


♪〜〜〜エンディング・テーマ〜〜〜♪

再び停滞に入る展開が見えて来た。もう文体の維持も難しくなっていた・・・。

♪〜〜〜予告・テーマ〜〜〜♪

*このストーリーは、現実をモチーフにしたフィクションであり、
 登場した個人名、団体名、地名、商品名等は架空のモノです。




本日の結論
書く方もかなり飽きて来たんですがねえ・・・。

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「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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