六弦的魔力怒

2002年12月19日 限界を越した状況は〜〜〜!


この幻を追い続け27年。

「箸休め」

さらにさらに怒濤編に突入! -----------

淡々とした日常の中で、本気になるほどの怒りが沸き上がる事態ははまず起こらない。怒りは人を動かし、攻撃的にするが愚かにもする。冷静に分析し対処することが現状打破の最短ルート。それを知った上での倉庫 番(くらこ つがい)の怒りは周囲からはまったく見えなかった。大きく燃え上がった黒い炎は誰の眼にも映らなかった。

高血圧と発熱で苦しむと云う出品者。冷酷に「残り3日だ」と伝えた倉庫 番(くらこ つがい)。クリスマス間近のE-mailによる攻防戦!腱鞘炎は今日も倉庫 番をいたぶっていた・・・。(だったら連載やめろよ〜!)

♪〜〜〜風の中のす〜ばる〜〜〜(おねがいもうやめて〜!)〜〜〜♪

私家版

プロジェクト
HEX(ヘックス)
「D-45を追え!怒濤編」

ぜんざいを食べていると、次第にその甘味によって味覚が鈍くなってくる。途中で少しだけお新香が欲しいと思うようになる。アイスクリームを食べていると舌が冷え過ぎ甘味を感じなくなる。その為、舌の温度を戻す為にウエハースが添えられている。倉庫 番は、日々続く「出品者からの現状報告」に同じような状況に陥っていた。「箸休めが欲しい!」そう呟くのだった(なんだよそりゃ〜?)

D-45騒ぎが始まってから、倉庫 番の頭の中に常にこの件が渦巻き続けていた。「箸休めが欲しい!」切実な願いだった。一時的に忘れる為本を読んだ。ミステリー本だった。熱中している間はD-45の件を忘れる事が出来た。読書に没頭した。だが・・・ミステリー本は時として諸刃の剣となった。

夏樹静子著「量刑」厚い本だった。むさぼるように読んだ。そこに書かれていたのは「裁判官」による「量刑」の決裁システムをメインとした小説だった。人は犯罪を犯すとどのように告発され、どのように裁かれ、刑期が決定するのか。死刑と無期刑。無期刑と有期刑の境目はどこにあるのか?同じ殺人でも「殺意」の有無によって「量刑」は大きく変わる。「偶然起こった行きがかり上の未必の殺人」と「綿密計画しての大量殺人」では当然ながら「量刑」が著しく違って来る。それを判断するリアルな裁判官の決定過程と実生活。それが目の前で起こっているような面白い本だった。読みふけった。

読み終えて、ふと感じるものがあった。今回の出品者の状況は彼に「犯意」があるのか?どうしようもない事情があり泥沼にはまり込み、身動き取れない「未必」状態で対応しているのか?通常、検察側は「犯意がある」と主張し、弁護側は「未必」であると主張する。検察側はその「犯意」を証明しなければならない義務がある。「犯意」があった事に合理的説明がなされず、わずかでも疑問が沸けば「疑わしは罰せず」の被告人有利判決が出される。

今回の件について検察的立場に立ち「犯意」があった事の「合理的説明」を倉庫 番はする事ができるのだろうか?それが立証できなければ「未必」としてしか扱えず「詐欺」にはならない。出品者は代理出品者として「善意の第三者」を訴え続けるだろう。出品者のフルネーム、住所、電話番号、WEB等を倉庫 番は握りしめている。近くであればすぐにでも乗り込んで行ける。だが、それが出来ない地理的現状に苛立った。

小説を読んだ事でさらに倉庫 番は混乱の度を進めてしまった・・・。

今一度、出品者の立場を冷静に考察し直してみた。
出品者の立場からみた箇条書きとは全く逆の観点で考えてみた。前提条件として「D-45」が存在していないとしてみた。すべての出品者の言動と対応は「D-45」が存在しないことで論理的破綻をしなかった。「嘘」であれば何でも言える。納得できる展開だった。常識的に考えればそうだ。とすれば、なぜそのような行為を行なわなければならなかったのか?それがバレればオークションから追放されるのは見えている結果だ。そのような危険を呼び込む理由は何だ?合理的解答が出せなかった。

あの日あった「それは詐欺です」とのBBSへの書き込みが正しかったのか?あの代金は小物を仕入れるための資金にされたのか?もし詐欺だとしても、それは1か月しかもたない嘘だ。ヤフーオークションには詐欺は1か月でアウトにされるシステムが存在する。たかが中古ギター1本の価格ごときで長年培って来た商売をあっさり葬り去るのか?12月21日までに倉庫 番の手許へ確実にD-45を届けなければシステムは確実に実行される。それは出品者にとって命取りの行為だった。

D-45が出品者の手許にない場合、アウト処理を回避するためには、次にどのような手を使うのだろうか?
考えられるケースは2つあった。

ケース1 必死になって19日中にD-45を手に入れ、21日までに倉庫 番のもとへ届ける。
ケース2 12月21日までに返金を申し出る。

だが、ケース2になれば倉庫 番は申し入れを拒否しアウトにしようと考えていた。出品者がD-45は存在していると云い続けている以上、明らかに詐欺だからだ。返金はヤフーオークション以外から受け取る気はまったくなかった。倉庫 番にはもうすでに今回のD-45に対する「期待感」は無くなっていた。今は終わらせる事だけがすべての目的になっていた・・・。見えない黒い炎は今日も燃え続けていた。

夜になり「箸休め」その言葉が再び過った。次の箸休めには何があるのか?これに懲りず又してもギターにするか?危険を呼び込みたがる自虐的体質に倉庫 番は自分自身を呪った。「Martin 00028EC」これもまた倉庫 番が欲しがっていたギターだった。手に入れたところでクラプトンになれるわけではない。またあのように弾けるはずもない。だが・・・その日「箸休め」が欲しかった。さらに、プロジェクトX もどきの文体にもとっくに飽きが来ていた(そのと〜り!)

♪〜〜〜エンディング・テーマ〜〜〜♪

倉庫 番(くらこ つがい)はその夜オークションで「Martin 00028EC」を早くも発見してしまった。それは手が届く金額設定だった。D-45が入手できなければ乗り換えてもよいかと考え始めていた。いや、たとえD-45が届いたとしてもコイツも欲しいと思い始めていた。非常に危険な徴候だった。アコースティック・ギターの魔力はそれほどまでに倉庫 番の精神を蝕んでいた・・・。

♪〜〜〜予告・テーマ〜〜〜♪

いよいよ迫る納品期限!カウントダウン終了目前!そこに現れた「Martin 00028EC」の存在!
D-45が届くのが先か?それとも「Martin 00028EC」を入札するのが先か?
苦悩する倉庫 番はいかなる判断をくだすのか?



本日の結論
Martin 00028EC はどうするんだよ〜?

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