六弦的無縁取

2000年1月25日 レストアはこうやってドツボにはまるのだ!



これがエスカッションだ!ピックアップ取り付け用の縁取りである。

「エスカッションは何処に?」

本日もまた、果てしなき六弦地獄の話である。もう、ドツボなのである!ギターに興味がない方には、理解に苦しむ内容なので、できれば読まれない方が体のためには良いと思うぞ!

先週、またもやビョーキが再発し、中古ギターを買いに走ったことは、皆様すでにご存じであろう。そのギターは「KAWAI MOOM SAULT」という。20年以上前に製産されたモデルだ。形状が独特の三日月型をしていて、一部の人々に熱狂的にもてはやされている。発売された当時の「愛用者カード」の調査をしてみると、なんと河合楽器の社員がかなり含まれているという!しかし、一般人はほとんど見向きもしないがな。

さて、そのような変なギターであるが、その後の調査の結果、私が手に入れた「KAWAI MOOM SAULT」には様々な問題点があった。これら諸問題を解決しなくてはレストア完了しないのだ。それらを克服すべく、すでにいくつかの問題点は解決しつつあるがそれら問題点を列記してみよう。



問題点その1
クロームメッキブリッジが錆びだらけ。即刻交換しなくてはならない。


解決策
以前レストアしたときに余ったブリッジが同じサイズであった。机の中で眠っていたのでそれを流用。ただし、金メッキのブリッジになってしまった。これはこれで納得している。豪華である!


問題点その2
ペグ(糸巻き)が錆びだらけ。即刻交換しなくてはならない。

解決策
23年前にギターを作ったときに残してあったYAIRIのペグが、家庭内のどこかに保存してあったはずだと思い出した。2日間に渡り、家捜しをしついに発見した。まだまだキレイだったので、使用上問題はない。サイズもぴったりであった。さらに、幸いにも金メッキ物だったので、意図していなかったが、ブリッジとのバランスが取れる結果となった。豪華である!

問題点その3
ストラップピンが錆びだらけ。即刻交換しなくてはならない。


解決策
さすがにストラップピンの在庫はなかったので、イシバシ楽器店にて金メッキ物を購入。すでに取り替えたので問題はない。だが、あまりにも新品でピッカピカなのはちょっと恥ずかしい。

問題点その4

エスカッションが汚れている。一度交換された形跡があるが、サイズが間違っている。即刻交換しなくてはならない。


解決策
さすがにこれも在庫はなかったので、イシバシ楽器店にて購入することを決意した。

問題点その5
各種ネジ、ボルト、ナットが錆びだらけ。即刻交換しなければならない。


解決策
工具箱をひっくり返してみると、長年貯めていたネジ類がわんさか出てきた。これを使ってみるとほとんどが交換できたのだ。どうしても足りない分は後日購入するとしよう。


問題点その6
ブースタースイッチが作動しない。即刻配線チェックしなければならない。


解決策
電池を交換したが、作動しない。裏蓋を開けて見たが、配線が複雑でよく分からない状態だった。配線がとぎれているところも見あたらない。一からばらしてチェックするしか道はないのだろうか?最悪は、登録会員の松下氏に泣きつけば何とかなるのだろうか?(おいおい!またかよ!)


以上のような、問題点をすべて解決しなければ「KAWAI MOOM SAULT」は復活しない。道はまだまだ遠いのだ!であるが、問題点その4のエスカッションは購入して取り替えればよいだけだ。とりあえず、これはすぐにクリアできる。1月24日夕刻にイシバシ楽器渋谷店へ突入する私であった。

だがそこに待ち受けていたのは、意外な事実であった。エスカッションが無いのだ!いやいや、エスカッションそのものは大量に販売されているのだが、私が求めている物が店頭に存在しないのだ。微妙に横幅が小さいのしか売っていない。このサイズだと、ボディーに掘ってある穴が見えてしまって、かっこわるいのだ。

店員の小貝氏に聞いてみた。目の前ですぐにメーカーへ問い合わせしてくれたが、私の欲しいサイズの物は、黒しか製産していないと言う。げげげ!必要なのは「クリーム色」なのだ!「KAWAI MOOM SAULT」を製産する際に、河合楽器はエスカッションを一体どこで仕入れていたのだ?調査の必要がある!だが、20年前の話だ。果たして今も存在するのか?そのメーカーは。

エスカッションは、ギターのピックアップを取り付けるために必要なパーツだ。これを省くわけには行かない。何としても手に入れなければならない部品なのだ!お〜〜〜い!どこにあるのだ〜〜〜!!!エスカッショ〜〜〜ン !!!

と、絶望の淵にたたされた私は、一縷の望みをイシバシ楽器お客様担当「小貝」氏の調査能力に託した。というのも、店頭に無い場合は、各メーカーに問いただすしかない。その調査を小貝氏は引き受けてくれたのだ。そして、25日17時40分勤務中の私にかかってきた電話があった。もちろん小貝氏である。氏の調査によると、まず本家本元の河合楽器に聞いてみたところ「20年前の物と、現在売られている復刻版ではエスカッションのサイズが違っていて、当時の物は在庫にありません!」との返事であったそうだ。ううむ・・・残念である。

しからば、他のメーカーはどうなのだ?さらに追及の手を休めなかった小貝氏である。GRECOに聞いてみたそうだが、ここにも私の欲しいサイズはなかった。最後の砦、フェルナンデスにも聞いてみた。すると「たぶん同じサイズがあると思います」との返事があったそうだ。すぐさま発注した小貝氏である。27日入荷だという。だが、私が確認したわけではないので、入荷の際に、私が引き取りに行きそのサイズ確認することにした。

あれほどの絶望の淵にたたされた私が、一気に平地に戻ってこれたではないか!恐るべしイシバシ楽器店小貝氏の調査能力!今後も大いに利用させてもらうぞ〜〜〜イシバシ楽器店!!!でも、本当に同じサイズが届くのだろうか・・・気になる結果は次号を待て!!!



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